月曜朝はゆっくり目の始動。
スクールフェアの振替で学校が休みの二男を連れて家内は買物に行くという。
そのクルマに同乗し、道すがら中央市場ゑんどうで一緒に朝食を済ませわたしは仕事に向かった。
明石での業務を終えて電車での帰途、メールする。
家内はクルマで移動中だった。
しばらくしてから返信があった。
互い近くにいることが分かったので、最寄りの駅で待ち合わせることにした。
夕刻、帰宅ラッシュで混み合う改札を抜けロータリーに駆け助手席に乗った。
前日の結婚式に引き続き2日連続で家内に迎えにきてもらったことになる。
途中でガソリンを入れ食材の買い出しのためガーデンズに向かった。
品揃えがいいので面白く、広々としていて快適なので買物が苦にならない。
家内の後ろに付き従いカートを押して歩く。
陳列の品を運ぶ女性や試食品を売る女性そしてレジの女性。
仕事柄どうしてもスタッフの動きや表情に目が行くが、さすがに阪急。
みな一生懸命でレベルが高い。
双方とも空腹だったので帰宅するなり夕飯にした。
この日のメインは塩麹で味付けし寝かせてあった手羽先。
こんがり焼かれて香ばしい。
赤ワインで乾杯し、家内に届いた花の都からの便りを眺める。
彼の地に住んでもう一年半になるだろうか。
中学受験をともに戦い抜いたママ友からも、その十代の娘さんからも家内に充ててラインを通じ各種情報がタイムリーに寄せられる。
どこかのお金持ちがその夜、盛大に花火を打ち上げて、ただでさえ美しい街が更に鮮やか彩られた。
息を呑んで花火に見入って、しかし、十代の彼女の目の焦点は、酒瓶抱えてうろつく無宿者へと移っていった。
いったいこの差は何なのだ。
かたや夜空を飾る花火、かたやほとんど空の酒瓶。
同じ場所同じ時刻、双方の手にするものに違いがありすぎる。
眼前の格差に戸惑いつつ疑問発する文章に、彼女の心優しさときめ細かな感性が読み取れた。
おめでたくも浮かれてはしゃいで花火にだけ目を奪われる者もいれば、目の端であれ対局の何かを捉える者もいる。
世界の各所、目を凝らせば光のなかに無数の陰影が刻まれている。
それに気づく者がいるからこそ救いがある。
そんな話をしているうち息子らの帰ってくる時間が迫った。
今夜彼らのリクエストはミートパイ。
家内はドンピシャ、焼き立てとなるようなタイミングで支度を始めた。