KORANIKATARU

子らに語る時々日記

この人とのこの場を大事にする

明石辺りには縁がある。 お客さんが複数いて、その最西端は加古川。 その最西端の事業主から声がかかり、間をとって明石で待ち合わせることにした。 時刻は夕刻。 久々会って、率いられるようにして駅近くの飲み屋の暖簾をくぐった。 ノンアルを頼もうとして…

窓の向こうを見て飽きない

ひとりで過ごすと思い出にふける時間が多くなる。 例えば移動のとき。 車窓の向こうに映るのは昔のことばかり。 過去の集積が列車に揺られているようなものである。 気が滅入るような思い出が浮かべば、もぐら叩きの要領ですぐさま意識の地中深くへと叩き返…

ただただ休んだ日の記録

一昔前なら仕事に出ただろう。 週の真ん中に祝日があっても当時のわたしには意味がなく、これ幸い、じっくりデスクワークに勤しんだに違いない。 が、いつしか業務負担は減少し人並みに休むことができるようになった。 休養も大事。 休むようになってはじめ…

気持ちを初心で上書きすれば勢いづく

今月はうちがゴミ当番になる。 朝いちばんでゴミ用ネットのセッティングを行い、ゴミが回収された後、ネットを畳む。 それが役割であるが、日頃から朝一番でわたしがネットを広げているから、ゴミ当番と言っても畳む工程が増えるだけのことである。 そんなこ…

似た者どうしでめでたしめでたし

海域によって棲む魚は様変わりする。 伊勢と淡路島は人の感覚からすれば離れているが、同じ南海トラフ上にあって魚にとっては同じ場所。 このように海には海の区分があって、ここら近海には南海トラフの他、瀬戸内、大阪湾、太平洋沖合など全く異なる海が4…

勝たねば、しかしなぜ?

午後、武庫川に向かった。 河川敷を切れ目なくランナーが駆けている。 そんな様子が土手から見て取れた。 マラソン大会が行われているのだった。 仕方なくわたしもその一団のなかに混ざって走った。 走力によって順に並び、わたしはそれなりのランナーと前後…

縁が命を守る

家内が美容室にいる間、わたしは武庫川を走った。 夕刻、駅で待ち合わせて一緒にホームにあがった。 と、そのときアナウンスが流れた。 JR神戸線の須磨駅で列車がお客様に接触したとのことだった。 このところ頻発しているように思える。 日を置かず、誰かが…

浅いフライに大わらわする仕事

朝一番、高々と打球があがった。 3つ連続であったから、この日はそれらの捕球に追われることになった。 進捗についての問い合わせがあり、対応が保留のままとなっていた件の再確認の連絡があった。 そして、業務のかみ合わせについて疑義が呈せられた。 A…

家事係の密かな楽しみ

京阪からJRに乗り換える際、京阪モールの地下食に寄った。 風やわらかな日暮れ時、かつてなら飲み屋ののれんをくぐったであろうが、いまは飲まない身であり、かつ夕刻の家事を担う身でもある。 家に持ち帰る食の調達が何よりの優先事項だった。 牛肉と卵が必…

誘ってくれた男はもちろん星光33期

約束の時間まで少し間があったので京都駅周辺を歩き伊勢丹の中をぶらついた。 家内と待ち合わせしこれから一緒に遊ぶ。 そんな気分がよみがえり、これから仕事なのだと自身に言い聞かせた。 数日続いた冷え込みがやわらぎ、暖かくなった。 いまは、春。 そう…

振り返ればあっという間の長い道

門の開く音がしたので外を覗いた。 朝9時前、家内が自転車をこいで颯爽と出かけていった。 ジーンズにニットという格好でリュックを背にしているからまるで学生に見える。 朝、卵を焼いて肉を焼き食事の用意をさっさと済ませて、いま本業は勉強。 これで図…

バットをブンブン振る時刻

冷え込む朝、毛布の感触が心地よく、そろそろ起き出さねばならないなんて信じ難い。 ずっとこのままがいい。 そんな安楽な生涯を夢想するが、仕事のことが頭をめぐり始める。 ああ、うらめしや仕事。 負わねばならぬ重き十字架を恨みつつ、負荷ゼロの世界か…

ややこしいことは抜きにして至福

前日同様、好天に恵まれた秋の日曜、家内は図書館へと赴き、わたしは職場に向かった。 事務所に着いてすぐ全ての窓を開け放った。 入り口のドアも自室のドアも全開にし風が吹き込むままにし肌寒さを覚えながら仕事をこなした。 仕事環境が整っていてその空間…

最後に見る夢

相変わらず目まぐるしく忙しい長男の話を聞いて、カラダにだけは気をつけろと言って電話を切ると、まもなく二男から電話がかかってきた。 引っ越しがほぼ終わり高円寺での暮らしがいよいよ始まったという。 寒くないか寂しくないか。 そう聞くわたしに彼は言…

ただそう思って口にはしない

わたしと家内にとって息子は、かけがえのない存在である。 が、他人からすればどうでもいいようなものだろう。 ふとした拍子、そんな真相が可視化される。 小さかったとき、彼らはやんちゃで身内であっても幾人かには疎まれた。 わたしは人の子もかわいいと…