KORANIKATARU

子らに語る時々日記

ヒトの暮らしのデフォルト

子どもたちが小さかった頃、しばしば明石を訪れた。 おいしい寿司屋があるからその後も夫婦で訪れて、そのうちどういう訳かそこに複数のお客さんができ、仕事でも足を運ぶようになった。 ここら近辺にはない港町といった風情を醸し、だから明石に赴く際はち…

いついつまでも最大の恩人

前夜、そこそこ飲んだ。 だから翌日は質素に暮らしてバランスを取る。 朝、炭水化物を控え玄米お結び一個にとどめ、昼はゆで卵だけで過ごした。 木曜はジムが休みなので、仕事後、武庫川を走った。 空気がすっかり秋の趣きを帯びてやわらかく、走り出した時…

距離を置けば済む話

仕事で遅くなった。 こんなときは柔軟に対応するに限る。 ジムを休んで禁酒も一休み。 阿倍野にいたからそこらで飲んで帰ることにした。 まだコロナ禍が過ぎ去った訳でもないのに、どの飲み屋も活況を呈していた。 どうなのだろう。 もう普通に飲み会など催…

三つの窓から風が吹き込む

時刻は夜十時を回ったところ。 台風が過ぎ雨はあがって、裏庭で鳴く虫の音を運んでひんやりとした風が窓から吹き込む。 そろそろ秋、そんな情緒にふけっていると電話が鳴った。 一週間に及ぶ菅平での練習合宿を終え、間をおかずゼミ合宿が続く。 松山行きの…

ちょっと間を置くことで雲泥の差

今日はしんどい。 一日くらいさぼってもいいのではないか。 そう思う一方、ジムに行けば充足感が得られることも知っている。 二つの思いに引き裂かれ迷いに迷う。 が、家内がさっさと支度して、当然といった風にわたしを目で促すので、選択の余地はないに等…

雨に打たれて思い出の地を走った

前日は大雨に見舞われ、鳥羽全域に退避勧告まで発令されていた。 夕刻、あたりを走るつもりだったが断念せざるを得なかった。 明けて朝、幸いにも晴れ模様であった。 朝食後、嬉々としてわたしは外へと走り出た。 鳥羽駅の前を通過し水族館に続く道を南へと…

振り返れば痛快

クルマで鳥羽に向かった。 途中、土山サービスエリアで食事しているとそこに若きラガーマンらの姿があった。 家内がその一人に話しかけた。 どこのチームですか。 関学です。 菅平に行くんですか。 これから名古屋で豊田自動織機と練習試合なんです。 そうな…

源流とも言える場所

ヤン坊とマー坊がうちにやってくる前のこと。 家内はヤンマーの受付に座っていた。 休憩時間、よく待ち合わせて三番街で明石焼きを食べた。 結婚前のことであるから、ともに二十代であった。 やがてヤン坊が11月の早朝に産声をあげ、その二年後、マー坊は12…

初秋から初冬、折々家族で一緒に過ごす

京都のホテルで2日連続フィットネスに通ったから、西宮北口での15回を合算すると、8月はのべにして17回もジムでトレーニングに励んだことになる。 毎週木曜の休館がなければ、一体何回通うことになったのだろう。 そんなことを考えつつ、この日は木曜…

夫婦の時間は子育て後も続く

メッセージが届いた。 待ち合わせの場所へと向かうため、わたしは事務所を後にした。 外は灼熱の暑さだった。 肌が焦げつくような直射に思わず顔面が歪む。 長堀通りを松屋町に向かって数分のところに目的地はあった。 まだ先にあるのに香辛料の匂いが鼻孔を…

朝から晩まで平板で平凡な平日

午後早くに業務が終わって、後は用事がない。 子どもの頃、学校が早く終わると歓喜した。 そんな童心に帰って、清荒神を後にし足取り軽く宝塚駅に向かった。 日差しは強いが空気の中にまだらに秋が感じられる。 秋の匂いを嗅ぎ分けるようにして歩いて、身中…

空っぽの頭に幸福が吸い寄せられる

動いていると余計なことが頭から消える。 月曜の午後、業務を終えてプールで泳いだ。 ユーチューブで参照した腕のストロークを試そうと思うから、そこに意識が向いて、地上で俎上に載せる一切合切が消えてなくなった。 泳がなかったら考えたであろうことが、…

真夏に秋の空気が紛れこんだ

早朝起き出し、ガソリンスタンドに向かった。 夏が終わってしまったのかと思えるほどの涼風が街に渦巻いてそこに冷気さえ感じた。 金木犀の香りが漂ってきてもおかしくない空気感であったから、いきなり八月に十月が迷い込んだようなものであった。 こんなと…

放課後は二人で飲み会

昼に実家に寄る。 そう言うと、肉を焼くというので家内とともにパル・ヤマト西宮店に向かった。 開店前から駐車場はほぼ満杯で大勢の客が押し寄せていた。 取り扱う肉と魚がすこぶるいい。 だから週末、人で賑わうのだった。 あれこれ肉を買い、家に戻ってす…

ジムを住処にしてもいいくらい

金曜の業務を終え、庭駆け回るワンちゃんのごとく大喜びでジムで過ごした。 まずは泳いで、続いて筋トレに励んだ。 好き放題カラダを動かすことのできる快感にひたりつつ、最後はトレッドミルで傾斜を走って仕上げた。 湯船につかって思う。 なんて気持ちが…