ヤン坊とマー坊がうちにやってくる前のこと。
家内はヤンマーの受付に座っていた。
休憩時間、よく待ち合わせて三番街で明石焼きを食べた。
結婚前のことであるから、ともに二十代であった。
やがてヤン坊が11月の早朝に産声をあげ、その二年後、マー坊は12月の早朝に産声をあげた。
ヤン坊マー坊がのべつまくなしに駆け回り、家は賑やか楽しく、あっという間に歳月が過ぎた。
今年、ヤン坊が22歳になり、マー坊は20歳になる。
そして、その明石焼きの店はいまも変わらない。
梅田で買い物があり、かつてと同様、休憩時間に待ち合わせるみたいに、昼時、家内と合流した。
昔懐かしく、三番街で明石焼きを食べることにし、そこが定点観測の場所となって夫婦の源流の時と今を較べるから、そのたこ焼きは底しれぬ味を醸した。
梅田でわかれ、家内は二男への荷を発送し、わたしは業務を片付けた。
夕刻、家で合流し、やはり向かうのはジムだった。
プールで泳ぎ終えた後、いつも決まって先に家内の姿がジムにあるが、この日は見当たらない。
家内がいない。
こんなちょっとした場面であっても、それは不安感を呼び起こした。
だだっ広いジムのなかを歩き回って探すと、休憩スペースにて電話している家内の姿があった。
ほっと安堵し、わたしはマシンに向かった。
まもなく家内がやってきて、いつものとおり二人で並んでダンベルスクワットと腹筋と柔軟体操に励んだ。
風呂をあがってマッサージチェアでしばし寛ぎ、帰宅した。
金曜が終わり、まもなく週末の時間がはじまろうとしていた。
どこに行こうか。
夕飯を食べるうち、週末の予定の目鼻が整っていった。