KORANIKATARU

子らに語る時々日記

虎を相手にしてこその武勇伝

ひとり事務所で日曜ロードショー。

選んだ映画は『隻眼の虎』。

 

1925年、日本統治下の韓国が舞台である。

当時、朝鮮虎はやんごとなき方々への最上の献上物であった。

 

人馬寄せ付けぬような峻厳な山の奥深く、鬼神とも言うべき存在の虎がいた。

捕獲するべく地元猟師が駆り出されるが、凡百の腕の者では到底歯が立たない。

 

古参歴戦の強者があってはじめて鬼神の向こうを張ることができる。

伝説の猟師と巨大な虎ががっぷり四つで向かい合うことになる。

 

むかしむかし、朝鮮半島の至る所。

朝鮮虎を暮らしの糧とする猟師たちがいた。

 

映画を見るうちそんな実在の姿が目にありありと浮かび、仕事に活用できるメタファーのようなものが生まれた。

 

早速、週初めから試してみる。

A3判のタスクノートにその日の課題を書き込み、ターゲットを赤で囲む。

 

一つを選び、黄色の蛍光鉛筆で塗りつぶす。

これがこの日狙い撃ちするわたしのタイガー。

 

シカやらウサギ、イノシシやらオオカミを仕留めつつ、ターゲットとの距離を詰めていく。

 

いよいよ虎を眼前とするときには、百戦錬磨の猟師の魂がこちらに乗り移っている。

 

そしてここが一日の変曲点。

強張る気持ちのピークが過ぎて、今日も一仕事果たしたという安堵感が増していく。

 

虎があっての武勇伝。

相手にとって不足はない、そんなリスペクトがあってこそ鼓舞されるものがある。