KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

大人の階段を登る56歳

今年もまた、家内がひとり旅に出かけた。 行き先は長野戸隠。 旅先から次々と写真が送られてくる。 日中でも気温は26℃ほど。 昨年同様、クーラーなしで快適に過ごせるとのことである。 家族のLINEグループに写真や動画が届くたび、森林を抜ける信州の涼風が…

家族を導くキャプテンシップ

北海道から帰ってきても、相変わらず元気で活発な家内である。 フラワーアレンジメントに取り組み、料理教室に通い、ヨガに励み、ジムでカラダをとことん追い込む。 そして、息子に料理を送ることも欠かさない。 簡単に真似のできることではないだろう。 無…

旅の最後に感じたのは先人の息づかいだった

旭川に戻ると、ちょうど昼時になっていた。 せっかくだから名物のジンギスカンでも食べようと調べてみたが、昼から開いている店は意外と少ない。 ようやく見つけた一軒に予約を入れると「席をご用意しますね」との返事だったので、胸をなで下ろした。 ところ…

時間についても適した居場所がある

青い池と白ひげの滝の美しい眺めを満喫した後、四季彩の丘へと足を運んだ。 前日の午後に訪れた際は、順を待つ車列がL字型に延びて果てしなく、とても並ぶ気にはなれず引き返した。 この日は満を持して朝一番で乗り込み、開園時間である8:40よりも20分ほど…

縁をたどった二日月の夕暮れ

セッションの開始は朝9時半。 それに間に合うよう、朝一番でジムへと向かった。 金曜夜のボディ・パンプとボディ・アタックの疲れはあったが、どちらかと言えば心地よい余韻といった類のものであり、カラダはまだまだ鍛錬を欲していた。 この日は45分ずつの…

名所巡りは早起き鳥の独壇場

滞在4日目は朝6時半にホテルを出た。 観光名所巡りは早起き鳥の独壇場。 グズグズしていると観光客の長い車列に阻まれて思うように動けなくなってしまう。 前日は「青い池」を目前に長蛇の列に行く手を阻まれた。 駐車場のオープンが朝7時なので、今度こ…

井の中の蛙、旅人となって真実を知る

こと食べるとなれば、家内は徹底的に調べ上げる。 単に食べログを眺めるだけでは済まない。 Google口コミ数や内容にも細かく目を通し、吟味厳選してから予約する。 もちろん、どれだけ念入りに調べても見込み違いはゼロではない。 が、家内が選んだ店の大半…

共通の趣味と重ねてきた時間

ほとんどの趣味が共通している。 食べ歩き、旅行、運動などが挙げられるが、温泉もまたそこに加えられるだろう。 土曜の午後は十勝岳温泉へと向かった。 雨に濡れた山道は、ひっそりと静まり返っていた。 寂寥感が極まる風景のなか、隣で家内が昭和のポップ…

とうもろこしと美人と旭川ラーメン

朝、南富良野を発ち北へとクルマを走らせた。 途中、農産物の直売所があったので立ち寄ってメロンやスイカなどを買い求めた。 この直売所で応対してくれたアルバイトの女子が驚くほど整った顔立ちの美人で、家内はすっかり魅了されてしまった。 これから先、…

大地の余白に溢れ出す家族の記憶

朝一番のラベンダーエクスプレスに乗るため金曜の夜に札幌に入った。 予定どおり乗車して朝のうちに富良野に到着した。 ひんやりとして澄んだ空気が実に肌に心地いい。 そこからレンタカーに乗って移動し、改めて実感した。 北海道は、でっかい。 日頃、小さ…

人生とんとん

札幌から富良野まで2時間。 窓外に流れる北海道の広大な風景を眺めながら、わたしたちは過ぎ去った労苦について語り合った。 あのときは大変だった。 そうそう、あんなことがありこんなことがあった。 もう二度とごめん。 まるで歌を詠み合うみたいに延々と…

目には見えない設計図

長男も二男もそれぞれ異なる個性と独自の考え、価値観を持って成長してきた。 しかし、その道行きを俯瞰すると驚くほど似通っている。 何か見えない力が働いているとしか思えない。 中学、高校と進学した学校のレベルは同程度だった。 大学もまた、互いに入…

夕陽をバックに北の大地へ

7月18日が結婚記念日で、海の日が第三月曜。 例年、だいたい三連休の時期と重なることになる。 昨年は結婚25周年だった。 基本に立ち返り、縁結びの神様に手を合わせようと出雲の地を訪れた。 今年はどうしよう。 いまの時分、ラベンダーが見頃。 そう…

父と子で記憶をつないだ夜

夕刻、天六にある玉一で二男と待ち合わせた。 なぜ玉一を選んだのか。 天六には美味しい店が山ほどもあるのに。 家内は首をかしげた。 が、理由があった。 かつて玉一は名店として知れ渡っていた。 その頃、若かりし家内とともに足を運んだ。 生まれたばかり…

川の字の記憶

小さな男の子を見かけると、一瞬、過去の光景がよぎって思わず顔がほころぶ。 わたしも家内も。 幼い頃、息子たちは可愛かった。 一般論ではなくあくまで主観の話である。 その証拠、憎まれっ子的な要素は否めず、周囲からすれば決して可愛いといった話では…

老いて世界が干からびる前に

先日、JR大阪駅の環状線ホームで33期の島田くんを見かけた。 階段を上がった先で一瞬目が合ったのに、声をかけそびれてしまった。 国会議員がこんな場所にいるはずがない。 そんな思い込みもあったが、何より自分の中にあったのは「部外者感」だったと後から…

雨の日の神社で思う、不思議な導き

顧客先を出ると、降り始めていた細かな雨が少し強まり、傘を差さずには歩けないほどになった。 日傘を差して、いつもの道を歩くうち、足は自然と神社へ向かっていた。 このあたりに来たときは、息子たちが園児だった頃から必ず立ち寄ってきた。 当時はこの地…

終盤になってこそ若返る

ここ最近のジム活はセッション一色になってきた。 以前はジムに着くとまっすぐプールに向かっていた。 いまはスタジオに直行するようになった。 ボディパンプやコンバット、ボディアタックなど。 インストラクターの掛け声と音楽に合わせて体を動かすグルー…

早稲田つながりの心強い縁

今度上京する際、昔の友人に声をかけてみようと思っている。 その友人は大学で群を抜いて優秀だった人物で、入った会社でも順調に頭角を現し、今では組織の中枢で部長職に就いている。 二男も同じ会社。 一度はきちんと挨拶をしておきたい。 連絡しないのも…

京都で味わった小さな非日常

朝食は部屋でとることにした。 わたしが洋食を選び、家内は和食を選んだ。 BGMはSpotifyで家内のお気に入りの曲を流した。 朝の光を受けて輝く鴨川を眺めながら、互いのメニューを味見して食事を楽しんだ。 炊き立てのご飯が信じられないくらいおいしく、わ…

早慶が最強、京大女子はそう言った

窓の向こう、鴨川が見渡せた。 夕刻、川べりを歩く人が増えてきた。 風が出て、少しは涼しくなってきたのだろう。 わたしたちも宿を出て、京都の街を歩くことにした。 路地を縫うように京都の町並みに触れながら、上七軒へと向かった。 結構な距離で、一時間…

ふだんと異なるだけで差し引きプラス

明石で業務があった。 午前10時との指定だった。 その直前にズーム会議に参加する先約があった。 クルマで明石まで送る。 だから助手席でズームすればいい。 家内はそう言うが、午後に手伝ってもらう用事があり、ぶっ通しになるのも申し訳ない。 朝早く、…

一対一という組み合わせ

大勢でつるむのではなく、二人で向き合う。一対一の関係こそが、互いを育み関係を深め、成長を促す最強の単位と言えるだろう。 二男が上京して最初のクリスマスのこと。 中高時代のホッケー仲間が一人で過ごすと知った。 それで二男は女子友との約束をキャン…

鍛錬の果てに待つ極上

昼一番でインディバの予約が入っていた。 だから、土曜は朝イチでジムへと出かけた。 家内とともにしっかりカラダを鍛えて、つくづく思った。 うちの家族4人の共通点はジム。 長男も二男もワークアウトを欠かさない。 だから肩幅あって胸板厚くて体躯がいい…

たった5分、されど5分

ジムの目玉と言えば、スタジオのセッションである。 わたしたちはそれを知らずジムライフを過ごしてきた。 いったいこれまでの人生は何だったのだろう。 まず最初に、家内がセッションの魅力に気づいた。 そうなるとわたしが引き込まれるのは時間の問題だっ…

小さな背中と分厚い二十年

商店街を歩くちびっ子の後ろ姿をみて家内が感慨にふけった。 20年以上前、息子たちはまさにあんな感じだった。 あっという間に歳月が流れた。 まるでサル同然と身内にも疎まれ、家内は肩身の狭い思いを余儀なくされた。 そんな息子たちにとって芦屋ラグビー…

わたしの出会いは訪問先で生まれる

週末の金曜、針中野にて業務があった。 顧問先は駅から歩いて15分。 だから家内はクルマで行けという。 が、この日の最終地点が梅田だったからクルマは邪魔にしかならない。 そう返すと、じゃあ送っていくと家内は言う。 連日になるのは申し訳ない。 予定通…

朝の光が心の檻をこじ開けた

アポの時間が朝9時だった。 満員電車を避けるため、朝7時には家を出るつもりで準備を整えていた。 たまたま目覚めた家内が言った。 池田までならクルマが早い。 それは百も承知。 が、その後、アポが本町、天王寺へと続く。 クルマで新御堂を抜け市内に入…

時が経つのはほんとうに早かった

京都での業務が入った。 始まりが朝からなので前泊することにした。 女房と前日入りして、おいしいものを食べ楽しく過ごして仕事する。 そして、その日の新規営業をもって最後にしようと夫婦で話し合った。 ちょうど自分の誕生日でもあり、「営業納め」の節…

人の縁は宇宙の計らい

人の縁というのは、本当に不思議なものである。 手に取って「どれどれ」とためつすがめつできるような実体はなくても、確かにそこに存在していて、思いもしなかった形で自分の人生に入り込んでくる。 遠い向こう側にいるだけの人たちがいた。 「こういう人が…