2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧
最終の業務地は針中野だった。 無事に成約し、これで6月だけで3件の新規顧問を請け負うことになった。 いずれもクリニック。 振り返れば、すべての起点は「タコちゃん」に行き着く。 厳密に言えばその前にハザマくんがわたしを顧問に招き入れてくれたから…
ゴールデンウィークという非日常の余韻も、いつしか静かに消え去った。 パリでは当たり前のように昼から飲んでいたが、日本に戻ってからは家では一滴も飲まなくなった。 そんなリズムで日々を過ごし体調もばっちり、業務に励んでいる。 女房も同様。 この日…
ぼやぼやしていると混み合う。 だから観光地へは朝早く行くに限る。 パリ滞在も残り僅か。 エッフェル塔をじっくり見よう。 で、トロカデロ広場へと向かった。 地下鉄トロカデロ駅から地上に出た。 朝の柔らかな光のなかを歩くこと数十秒、左手に突如として…
事務所に寄る用事がある。 だからクルマで送る。 家内がそう言うから素直に助手席に乗り込んだ。 西宮から大阪の谷町筋界隈へと出るには電車よりクルマの方がスムーズであっという間に上本町に到着した。 じゃあねと手を振ってクルマを降りてすぐウェブで特…
5月2日は金曜。 平日だった。 家内は朝からリッツ周辺へと散策に出かけた。 ヴァンドーム広場を通りリュクサンブール通りに抜けるコースを歩き、折々写メが送られてくる。 わたしはホテルの部屋で仕事をこなすが、街の空気が写真を通じて流れ込み、一緒に…
月曜の朝が締切。 その業務が気になって、日曜なのに朝4時には目が覚めた。 片付けなければどのみち寝付けない。 さっさと業務にとりかかることにした。 昼過ぎには何とか終わる。 そう見通していたが、根を詰めて取り組んで朝の8時過ぎには仕上がった。 …
寸暇を惜しんで働く日が続いている。 雨の降りしきる土曜日、自室にこもって書類作業に没頭した。 家内は家内で床を磨き、家事に黙々と取り組んでいた。 雨音がふたりの時間のBGMとなり、日常の素朴さを引き立たせていた。 この一週間はまったくジムに行けな…
同業者との関わりはほとんどない。 群れず頼らず。 助けを求めることなく、独立独歩で仕事をこなしてきた。 だから同業者から連絡がくることなどめったにない。 ところがこの日、ある紹介者を通じ一本の電話があった。 駆け出しの者からだった。 ぜひ、一度…
心満たされる朝食から一日がはじまった。 ストラスブールの豊かな風土が育んだ地元食材の料理をたっぷりと楽しんだ。 朝の滑り出しとして申し分なかった。 食後、川沿いの道を歩き、旧市街の象徴とも言えるプティット・フランスへと向かった。 木組みの家々…
いろいろと尽力したい。 そういう思いで一貫し、だから簡単に仕事を投げ出すことはない。 その献身とタフネスがうちの事務所の売りだろう。 だからこれまで顧問契約を断れたことはもちろん、こちらから断ったことも一切ない。 もちろん、反社会的レベルな要…
こんなに分かりやすい待ち合わせ場所もそうそうないだろう。 街のどこからでもその尖塔が視界に入る。 高さ142メートル。 かつて世界一の高さを誇ったノートルダム大聖堂を見上げつつ、わたしたちはエクスカージョン主催者から声がかかるのを待った。 朝9時…
どのみちうまくいかない。 期待したところで無駄。 希望はいつだって叶わない。 そう決め込めば落ち込むことから解放される。 なるほど、そんな悲観主義もひとつのあり方、なんだか役に立ちそうな気がしないでもない。 が、希望なくしてやってられない。 ひ…
滞在四日目、いったんパリを離れた。 メトロでパリ東駅に出て、TGVに乗ってストラスブールへと向かった。 車中では前夜テイクアウトした品など分けて食べ、ちょっとしたピクニック気分を満喫した。 パリの喧騒を後にしてカラダも心も少しずつ緩んでいって、…
土曜日だったが業務の予定が入っていた。 昼から大和八木に行く。 そう言うと家内はクルマで送ると言った。 遠いからいい。 固辞するが、送るといって聞かない。 近所のスーパーで米が払底している。 奈良なら手に入るかもしれない。 家内の目的は米の調達に…
連日、サウナに入ってつくづく思った。ああ、気持ちがいい。 そんな感覚が、心の深いところまで沁み渡ってくる。 不要物や夾雑物がすべて排出されていく清々しさに身を委ねながら、ふと考えた。こうした心満たされる時間だけで、日々を構成できないものか。 …
パリ三日目の朝も、オープンカフェでの朝食から始まった。 心地よい陽光が差し込んで、街に面した席に身を置くだけで気分は高揚した。 行き交う異国の人々を眺めながら、クロワッサンを片手にコーヒーを味わう。 何気ないひとときが、まるで映画のワンシーン…
改修のため自宅の風呂が使えない。 それでぶらり隣町へと足を運んで、銭湯を探した。 銭湯に行くなど久しぶりのことだった。 それで遠い昔の風景がよみがえった。 大昔。 下町の家に風呂はなかった。 毎夜、祖母と母に連れられて近所の銭湯へと通った。 そん…
わたしは西から、家内は東から。JR神戸線に乗って、明石駅で待ち合わせた。 わたしの方が少し早く着き、改札口で家内の到着を待った。 人混みのなかでもすぐに見つけられる。 そう思っていたが、先にわたしに気づいたのは家内の方だった。 夕暮れ前、陽射し…
右端のレーンは最速のツワモノらが泳ぐ。 まるでシャーク。 とてもそんな連中のなかに混ざる勇気はない。 この日、そのレーンだけが無人だった。 ほかは2、3人。 鬼の居ぬ間とばかり、わたしはそこで泳ぐことにした。 レーンを独占して快適だが、不安がよ…
あまりに盛りだくさんなパリ旅行だった。 そろそろ記憶の断片を繋ぎ合わせ整理しておく必要があるだろう。 レストランはすべて家内が予約した。 日本人シェフが活躍するパリである。 名店を抑えておこうと、初日の夜、BAILLOTEで食事した。 このとき日本人夫…
十日あまり留守にしただけである。 だが、異国から戻ったばかりの身には、見慣れた街がまるで別物のように新鮮に映る。 観光客視点で、つくづく思う。 どこもかしこも整っていて、清潔さが隅々にまで行き渡っている。 空気も澄み渡り、風景までもが鮮やかに…
些細なことは些細なことで解決する。 この日、明石からの帰途、新長田で途中下車した。 ひさしぶりに平壌冷麺を訪れた。 焼肉のメニューを上から順に注文し、同時に持ち帰り用の器も頼んだ。 一枚一枚、丁寧に焼きながら、半分は食べ、半分は器に収めていっ…
快適な空の旅だった。 時差ボケはほとんどなく身体も軽い。 コンディションよく仕事を再開できた。 だから、前夜寝付けなかったのは長旅のせいではなかった。 頭の奥が冴えたままあれこれ考え眠れず、気づけば朝が到来していた。 朝になって眠気が襲ってきた…
昨年、スペインから帰国した後、立ち寄った。 今回もまたフランス旅行の打ち上げとして予約し訪れた。 夕刻、ジムで泳いでサウナに入って腹ごなしも万端。 さあ、寿司だと意気込んだ。 テーブル席に陣取っておすすめの品を注文していった。 出だしは良かった…
午後4時10分、予定通り関空に到着した。 手荷物も真っ先にレーンに姿を現したから僅か15分ほどで入国ゲートを抜けることができた。 時間にはまだ早かったが、リムジンバス乗り場へと足を向けると、5時10分発の尼崎行きの停留所にはすでに人の列がで…
チャンギ空港でのトランジットで2時間ほど合間があった。 第2ターミナルへ移動し、実にエスニックなヌードルを二種類頼んで分け、その美味しさに感動し、今度はシンガポールにも足を向けようと話し合っていると長男から家内に写メが送られてきた。 彼はい…
搭乗するまでは気が抜けない。 最終日の朝、ホテルに手配してもらったタクシーに荷物を積み込み、ターミナル1へと向かった。 ベトナム出身の女性ドライバーは気配りが行き届き安心して運転を任せられた。 やはりここ一番というときにはホテルに配車を頼む、…
長いようであっという間。 フランスでの9泊は気づけば最終盤を迎えていた。 家内とは今年で結婚26年目となる。 日数を数えれば軽く9,000を超える。 その尺度で言えば9泊など「一瞬」と言っていいだろう。 今回の滞在中、ストラスブールに二泊三日し、その…
めんどくさがりなので、買い物など気が進まない。 手ぶらがいちばん。 そう思うから、もしわたし一人なら遠くパリにあっても何か買い求めようとは思わないだろう。 一方の家内はわたしとは対照的である。 せっかくここまで来たのだから。 そんな思いに真正面…
こんな時期に夏日になるなど想定していなかった。 涼しければ過ごしよいパリであるが、暑いと一変する。 冷気のなかでは鳴りを潜めていた街の匂いが、気温とともに勢いを増し、そこら中に溢れ出す。 こうしたことは日本では限られた場所でしか生じない。 そ…