KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

心を曇らせるもの、晴らすもの

疲れていると、心が曇る。 月末、たまたま仕事が立て込んだ。 暑い中、複数の事業所を渡り歩いて、気づけば体力も気力も削られ、ふらつくほどにわたしは消耗していた。 そんなときに些細なミスがいくつか重なった。 事務所のミスはわたしのミス。 責任者はわ…

車窓にこの日のハイライトが映し出されていた

前日は街の南へと足を運んだ。 この日、滞在6日目の木曜は北東に針路をとった。 街は場所ごとに違った表情を見せる。 Cam’s kioskは下町といった風情の地域を抜けた先にあった。 背後にはヤラ・ベンド・パークの緑が広がっていた。 店先の桜が五分咲きとい…

ひとりの夜とひとつの輪

暑く、忙しく。 夜、仕事で帰りが遅くなった。 最終地点は門戸厄神、時計はすでに午後九時を指していた。 腹も空いて疲れ果てていた。 迎えにくるという家内の申し出を固辞し、西宮北口で食事を済ませることにした。 ひとり居酒屋のカウンターに腰掛けて、し…

食べて飲んで海と光に癒やされた

滞在も5日目の水曜日。 さすがにホテルの朝食には飽きがきていた。 そんな折、サウス・メルボルン・マーケット近くに「Juniper(ジュニパー)」という評判の店があると聞き、冷え込む朝、トラムに乗って向かうことにした。 テイクアウトの品を求める客も詰…

容赦なき暑さに勝るカラダの火照り

大阪の暑さは容赦ない。月曜も火曜も、朝から灼けつく日差しに打たれて、すっかり消耗し切っていた。 だから火曜の仕事終わり。 まあビールでもがぶがぶ飲んで帰ろう。 そう思ったのだった。 が、家内から待ったがかかった。 月曜に続いて火曜もサボるのは、…

寒さに揺られ、心はポカポカ

滞在4日目の火曜朝一番。 ホテルのレストランでお粥だけ食べ、ピックアップ場所であるサザンクロス駅へと向かった。 定刻朝7時半、バスはまだ現れない。 路上は寒く、家内はすぐそばのホテルのロビーにて待機した。 まもなく、少し遅れてバスがやってきた…

中学受験で始まった引くに引けない一本道

日曜日も運動に時間を割いた。 セッションを活用してこそのコナミスポーツクラブ。 つくづくそう思う。 セッションに参加せずに過ごした歳月は一体何だったのだろう。 パンプ、コアクロス、コンバットと順にこなし、みんなで限界までカラダを追い込む、この…

人生はコスパで語れない

土曜日の夕刻、家内と共にジムでセッションを2本受けて帰宅した。 心地よい疲労感に包まれ、爽快そのもの。 せっかく筋肉を苛め抜いたのだからと、ノンアルでタンパク質中心の夕飯を摂った。 息子の近況を話し合いながら楽しく食卓を囲んでいると、ふと昔、…

メルボルン、街歩きで心満ちた一日

この日は、市街をゆっくりと回ることにした。ホテルで朝食を済ませ、柔らかな朝の光を浴びながら駅へと向かった。 ヤラ川沿いの遊歩道を歩くと、川面は穏やかに青空を映しきらきらと輝いていた。 ジョギングや犬の散歩を楽しむ人々が行き交い、水辺の爽やか…

世の光に照らされて

芦屋に住んでるのは医者と弁護士ばっかり。 そんな言葉が、なぜか強く印象に残っている。 言った当人はわたし同様、お世辞にもハイソと言えず、せいぜい「中の下」程度だろう。 それなら得意げな気持ちよりもむしろ劣等感が先立って、感情的には暮らしにくい…

集まる若者のピカピカ度が増していく

万博を見ておきたい。 とのことで、急遽、二男が帰省した。 到着早々、家内とジムで一緒にセッションを受け、さすが鍛えあげているだけあって軽々とメニューをこなした。 夜になって彼の友人も合流した。 同じく、万博を見ておく、ことが目的。 この友人とい…

誰と付き合うかで世界が変わる

世界は大きく二つに分かれている。「交流」の側と「非交流」の側。 その二つのカテゴリーは断絶され、互いに交わることがない。 家族として暮らしてきた日々のなかで、わたしたちは幾度となくネガティブな感情の渦に巻き込まれてきた。 優しさや思いやりに満…

走るレストランで心がさらに近づいた

土曜の昼にはホテルにチェックインしているはずだった。 が、関空を発つ飛行機が4時間も遅れてしまった。 遅延の理由を聞いて驚いた。 夏の繁忙期で関空と香港を結ぶ空路が大渋滞を引き起こしているから。 縦列に並んで身動きできない飛行機たちの図が頭に…

そこにあったのは縦縞の国だった

眼下に明石海峡大橋が姿を現し、続いて万博会場の大屋根リングが視界に入ったとき、ようやく地元へ帰ってきたのだと実感した。 まもなく着陸し、荷物もスムーズに受け取ることができ空港の外へ出た。 覚悟していた蒸し暑さはなく、拍子抜けするほどだった。 …

食べて歩いて元気になる街

ホテルの朝食は3日で飽きた。 素晴らしいカフェが軒を連ねるメルボルンである。 4日目以降はホテルの朝食を放棄した。 ひんやりと澄んだ朝の空気を胸いっぱいに吸い、女房と並んで歩いて店を探す。 そんなひとときは旅の醍醐味そのものと言えた。 気候がよ…

Go Enjoy Life

晴れ渡る空のもと。 波音とカモメの鳴き声をBGMに女房とセント・キルダ・ビーチを歩いた。 結構、長く延々と。 歩を進めるごとに太陽はゆっくりと水平線へと傾いていった。 その光を受けやがて海面が様々な色を帯び始め、移ろう色彩のグラデーションが美しく…

息子が二人いる

家族4人のグループラインがある。 長男が作った。 彼がギリシャへと出張したときのことだった。 パルテノン神殿の写真が送られてきてちょっとした感慨を覚えた。 以来、あれこれ情報を交換し、ラインが家族4人の情報交換所といった役割を果たすようになっ…

羽織った瞬間、旅が動き始めた

昨年の夏、家内とイギリスを訪れた。 エディンバラでもロンドンでも、宿はWホテルを選んだ。 ああ、あの旅がもう懐かしい。 ロンドンではスリに遭い、現金と二人分のパスポートを失うという一幕もあった。 それでも、こうして無事にここにいる。 さて、その…

タネも仕掛けもない、日常という奇跡

夏季休暇を目前に控えた水曜日。 お招きを受け、久しぶりに妻と連れ立って北新地へ足を運んだ。 向かった先は「北新地かわい」 知る人ぞ知る隠れた名店である。 店内はほぼ撮影禁止。 料理にこだわり抜く真摯な姿勢がひしひしと伝わってくる。 そんな空間で…

灼熱の名古屋と信州ロス

鰻の余韻を胸にしまい込みながらわたしたちはレンタカーを返却した。 予定より早い時間だったが、そのまま松本駅へと足を向け、発車間際の特急しなのに飛び乗った。 幸いにもグリーン車は空席が目立った。 安堵しながら腰を下ろした一瞬後、その席のチケット…

泡と冷気とメルボルン

現地時間の夜10時。 メルボルンに降り立った。 荷物を受け取り、まっすぐタクシー乗り場へ向かった。 ガラス扉の向こうへ抜けると、外気が頬を撫で全身を優しく包み込んだ。 ひんやりと澄んだ空気をわたしは胸深く吸い込んだ。 東京の初冬、ちょうどラグビー…

風の向こうへ、旅の始まり

業務を終えJR尼崎駅にてリムジンバスを待った。 この日はにわか雨もあって猛暑やわらぎ、指し示す気温が29℃。 夏の大阪には珍しく風が吹き渡り、それが清涼に感じられた。 これから赴く遠い向こうからの風がここまで届いているかのように感じられた。 この夏…

食事が絶景と釣り合った

たっぷり上高地を散策した。 一帯が静寂に包まれ、空気は冷涼で透き通るように澄み、そして穂高連峰が存在感たっぷりに眼前に迫った。 まさに異次元にて過ごすといった時間だった。 が、昼が近づくにつれ、どっと人が押し寄せてきた。 静謐な空間は瞬く間に…

伴侶と訪れるべき場所

素晴らしい宿だった。 だからこそ迷いが生じた。 朝食をゆっくりと味わい、朝風呂にたっぷりと身をひたし、それから上高地へ向かうのでもいいのではないか。 そんな思いを拭いきれなかった。 しかし、AIは告げていた。 朝5時15分の大正池を決して見逃して…

何もいらないと思えた夜

乗鞍から下山し、クルマを平湯温泉へと走らせた。 最終日に上高地を訪れる予定にしていた。 予約した温泉宿はそこからほど近い場所にあった。 午後4時、宿に到着した。 玄関に足を踏み入れた瞬間、上品な佇まいと温かな雰囲気を感じ、ここを選んで正解だっ…

希望という名の空気を吸って

朝食後、松本駅へと歩き、ニッポンレンタカーでクルマを借りた。 ホテルへと引き返し家内を乗せて出発の準備が整った。 向かうは乗鞍高原だった。 上高地へと向かう道は混んでいたが、乗鞍方面は驚くほど空いていた。 朝9時を過ぎ、この時間から山へと向か…

旅先でよみがえる子育ての記憶

旅先でもわたしたちは早くに起きる。 朝一番、陽の光に照らされる松本城を鑑賞しラジオ体操をする人々の間を歩きながら地元の息吹を肌で感じた。 今回の宿は、松本丸の内ホテル。 昭和初期の趣を残す歴史的な建物と充実した朝食を決め手として選んだ。 安曇…

そこの君、命はないよ

長野で女房と意見が一致した。やはり男は山をたしなむくらいがちょうどいい。 あちこちで山へと向かう男を見かけた。 一様に精悍で頼もしく、面構えよく、見るからに知的といった雰囲気を漂わせていた。 地図と天気図が読め、星と草花の名を知り、変化への適…

情報がなければ馬の骨

エネルギーにあふれる家内であるから振り返ればいろいろな試みがあった。 耳つぼアロマなどは、その一つに数えられる。 そもそもは家族のためにとの動機ではじめた。 知り合いが開催するセミナーに参加し短期間でその技術を習得したところ、手がいい、筋がい…

今年は現地で待ち合わせ

昨年は新大阪駅にて家内を出迎えた。 長野はよかった、長野に住みたい。 信州の澄んだ空気と美しい景色を賛美しながら、大阪の蒸し暑さに悪態をつく家内の様子が記憶に新しい。 今年はせっかくだから現地で待ち合わせることにした。 家内は長野から南下し、…