朝から慌ただしかった。
疲労のせいか食欲もなかった。
朝食には手を付けずズーム会議を終えて家を出て、天王寺の顧客先へと向かった。
階下でうちの職員と合流し業務に臨んだ。
開業を前に大勢の人が集まっていた。
そのなかいろいろと仕事を紹介してくださる方が複数お見えで、たちまちのうち新規の案件など持ちかけられ、結局、来年も忙しくなることがその場で確定してしまった。
3月で楽になるなど土台無理な話であった。
まだまだこの先も課される任務が残っている。
役割が尽きるまで現役としての人生は続くのだろう。
昼を済ませてから昭和町へと移動した。
今度は別の職員と待ち合わせて顧問先を訪れた。
疲労の極みにあったがなんとかだましだまし客先での業務をこなし終え、やっと一息つくことができた。
わたしはまっすぐ行きつけのマッサージ屋へと赴いた。
負う責任が増していく。
タイミングを捉えコンディションを整えることもまた重要な任務なのだった。
念入りに揉んでもらおうと先週と同様、ボディ60分、ヘッド20分、フット35分の配分で施術を頼んだ。
出だしは快調。
痛いがとても気持ちよく、ああこれで復活できるとわたしは弛緩し身を任せていた。
が、途中で施術者の手の力がみるみる急減していくのが分かった。
ああ、なるほど。
疲れているのはわたしばかりではないのだった。
長丁場を渡り切るため巧妙に手を抜いているという風ではなく、ちょっとどうしても力が入り切らないという状況だと理解できたから、わたしは目を瞑ることにした。
なんとも間延びしたような時間に耐え、ときおり恵みの雨が降り注ぐように力がぐっと入ったときはその感触を逃さぬよう全身全霊で受け止めた。
いつもよりはるかに時間が長く感じられた。
やっと終了となったときは施術者の気持ちを思ってほっと安堵した。
なんとも頼りのない施術であったが、それでも効果は感じられた。
いつもありがとう。
わたしは礼を述べて店を後にした。
まあ、短い人生。
互いいたわり合って生きてゆこうではないか。