朝食は部屋でとることにした。
わたしが洋食を選び、家内は和食を選んだ。
BGMはSpotifyで家内のお気に入りの曲を流した。
朝の光を受けて輝く鴨川を眺めながら、互いのメニューを味見して食事を楽しんだ。
炊き立てのご飯が信じられないくらいおいしく、わたしたちは和食に軍配をあげた。
このままのんびりホテルステイを楽しみたいところだったが、わたしには業務のアポが入っていた。
朝9時半、名残惜しくも部屋を後にした。
外に出るとそこまで暑くなかったので、タクシーには乗らず、15分の道のりを歩くことにした。
日傘を差して府道32号線を北上する。
すれ違うのは前夜同様、外国人観光客ばかりだった。
旅情にひたりつつ、音楽にのって歩いていると気分が高まった。
仕事に臨む際はタクシーに乗るより、歩く方が気持ちがしっかりと整う。
そう実感した。
京都府立医大近くの前田珈琲で質疑を受けて話すこと一時間強。
話が弾んでこれでまた京都の顧問先が一件増えた。
意気揚々と来た道を戻ってホテルへと向かい、先にジム活に励む家内に合流した。
一汗かいてプールで泳いだ。
わたしたち以外に誰もいなかったため、悠々快適に過ごすことができた。
チェックアウトが午後4時だったので目一杯京都を楽しもうと、そこから二人で日傘を差して街へ出た。
甘味処で一服して京都風情を楽しんで、最後は鴨川沿いを歩いてホテルに戻った。
途中、菱岩で弁当を受け取り、家内の運転で帰途についた。
昼をとっていなかったので空腹だった。
家に着くとすぐ家内が肉を焼いて夕飯の支度を整えた。
奈良の日本酒「風の森」を開け二人で盃を傾けた。
グラスの向こうにまだ鴨川の光が残っている気がした。
平日の業務に宿泊を織り交ぜることで、ぐっと彩りが増す。
仕事と旅、日常と非日常、そのすべてが余韻深く絡み合って、素晴らしい二日間が幕を閉じた。