KORANIKATARU

子らに語る時々日記

耳に秘められた謎

居ても立ってもいられない、そう感じるほど肩が凝ったのは久方ぶりのことだった。

朝、作業しはじめたときから違和感があった。
腕を回そうが、とんとん叩こうが、ドンドコ叩こうがびくともしない。
振り払っても振り払っても肩を覆う不快さは深まるばかり。

だから昼を待ってマッサージ屋に飛び込んだ。
野田阪神りらくの林さんは指圧の名人。

ひと押しひと押しが芯までしみる。
押すだけで、こうまでじんわり気持ちいい、一体どのようなメカニズムになっているのだろう。

そのように考えつつ身を任せる至福の60分を過ごす。

ただ、今回の肩こりは酷かった。
60分では足らなかったと見えて、まだ不全感が拭えない。
90分コースにしておけばと悔やむが後の祭り。
さっき施術受けたばかりなのに、再度店を訪れればマニアのようで気恥ずかしい。

そのように振り返りつつサウナでカラダを温め薬局でロイヒを買った。
気休めであっても何であっても、コンディションを戻さないことには明日からの仕事に障る。

溺れる者は藁にもすがる。
ならばわたしがロイヒにすがるのは当然の話であった。

帰宅し夕飯を食べつつ、ふと気づく。
家内に耳リフレしてもらえば済む話ではないか。

このところマッサージ屋要らずとなったのは、耳リフレの恩恵であるはずだった。

そうそう久しぶりに頼んでみようと、家内に耳を預けた。
たちまち耳がふんわりとほぐれ、全身にあたたかな血が巡りはじめたのが分かった。
首筋から頭部にかけアロマで指圧してもらい、耳に群居するツボの一つ一つを特製器具で押してもらう。

耳ツボは、いわばカラダの全館につながる通気口のようなもの。
そこを起点に生じたイタキモが、オセロの黒が白へと変わるように、身体中の疲労の黒を爽快の白へと一挙ドミノ倒しの勢いで裏返していく。

今週はどの朝も気だるかった。
くずつきがちな天気のせいだと思っていたが、単に疲労が原因であった。

だから疲労が抜ければ、朝本来の爽快がよみがえることになる。
生まれたてのような気分で迎える朝は素晴らしい。

不思議なことである。
この効き目。
耳に秘められた謎は奥深い。