KORANIKATARU

子らに語る時々日記

ひっそり静かに過ごした週末

土曜日、夕刻になって帰途についた。
昨年同様、混み合う2号線であった。

世はクリスマスイブだと賑わうが中年男子には何も関係がない。
家に帰れば子らは出払っていてすることもない。
めでたい日だと酒を飲むでもなく平素同様、本を読みつつそのまま寝入って、気づけば朝。
サンタが訪れた形跡はない。

いわゆるクリぼっち。
しかしまあそれが習い性。
舞台裏でひっそり佇む方が心落ち着く。
いつ何時もひとり静かに過ごすことができるなど、かなり満たされた話であるとさえ思っている。

絵に描いたようなクリスマスイブを過ごしたことなど1,2回。
数えるのにベムの片手で十分間に合う。

あれはまだバブルの余熱冷めやらぬ頃。
強迫観念のようにそうすべきだといった時代の空気があった。
だからそれらしく振る舞ったのであったが、何かそれで心温まったといったこともない。

ベムだって若い時分は時代に担がれた。
世界に一体何曲あるのだろう、FMからクリスマスソングがひたすら淀みなく流れ続ける。
いくつかの思い出を振り返りほんのり頬染めるベムの横顔とともに日曜未明の道をクルマで走る。

自身では他人行儀に接するクリスマスであるが、子らが小さいときに限って父としてサンタの役割くらいは果たしてきた。
しかし、大人の嘘に鈍感なナイーブ盛りの少年も、いつかはサンタの非在に気づき、いつしか出番はなくなった。
サンタからの数々のプレゼントもどこへ消え去ったのか、いまや家のどこにも見当たらない。

ただ、彼らはわたしと異なりもっと身を入れてクリスマスと関わっていくような気がする。
なんというのだろう、いろいろなことに対しての打ち解け感がわたしとは大違い。
放ってはおかれないキャラクターと言えるから、あちこちからお呼びの声は絶えないだろう。

例えば彼らが家庭を持ってクリスマスパーティーなどするなら、おそらくは仲間も集まって楽しく温かな場になるような気がする。
親父もおいでよ、と声がかかれば、まあ一度くらいはのぞいてみるのもいいかもしれない。