保護者説明会があって、帰りはママ友と一緒だったという。
仲良くしてくださる方があって幸い。
ちょっとした交流であっても、そんな話を家内から聞くと嬉しくなる。
このところは家内と二人での夕飯となることが多い。
帰宅が遅くなるときは炭酸水で夜を過ごすが、まだ宵の口だとワインでも開けようとなって結構な頻度で夕飯がそのまま飲み会になる。
この日は、チーズのベーコン巻にサーモンサラダにカルパッチョ。
ワインならではというつまみの取り合わせで、赤の風味が更に美味しく引き立てられる。
長男のクラスの仲間は粒ぞろい。
かなりの豊作のようで、右を見ても左を見ても超優秀、石を投げれば漏れなく優秀者に当たる状況だという。
そんななか、ママ友からもたらされたうちの息子の話を聞くにつけ、やはりうちの家族は天才バカボン一家の構成そのものだとの感が強くなった。
バカボンの不調法な荒削りもやがてはよき青春の思い出となって、その頃にはバカボンも一端の男子、少しは頼りになる人物になっているだろうから、ひとつよろしくね、と関係者みなに一言申し述べたい気持ちにもなってくる。
先日観た『ライオン』という映画について家内に話す。
90年代当時のカルカッタの様子が見事描かれている。
押し寄せてくるようなインドの騒然が画面に再現されていて懐かしく、大筋とは別、全く性格を異にする二人の兄弟に対し分け隔てなく愛情を注ごうとする親の意志に強く感銘を覚えた。
わたしだって兄弟がいるが性格は全く異なり、家内だってそう。
我が子についても、バカボンとはじめちゃん、別個の魂が宿っている。
まったく違うが、どちらも唯一無二。
かけがえのない存在であることに変わりない。
その二つの魂に、夫婦して真剣に向き合ってきたが、真剣度の質も量も家内の方がはるかに上回っていたのは確かなことだろう。
子らに最善のものを与えようとする姿勢は一貫し揺らがず、だからまあ当初は二人揃ってサル同然であったのに、何とか曲がりなり授かった魂を開花させる方向へと少しずつ向かっているのではないだろうか。
酔ってそんな話をしているうち、バカボンが帰還しはじめちゃんも戻ってきた。
明日、勉強するという。
秋たけなわの日曜、わたしはどこかへぶらり出かけるつもりであったが、子らの勉強に比べればわたしの無為な遊びなど何の値打ちもない。
事務所を開放して、わたしも一緒、生真面目に過ごすことにする。
ちょうどいい機会、晴れ渡る空を窓の向こうに眺めつつ読書の秋と決め込もう。
子らと一緒であれば何をしようとそれが最高の過ごし方になる。