いつしか寝入って、気づけば朝になっていた。
前夜ラーメンを食べたから、とてもではないが朝食は入らない。
まずは揃って最上階のサウナに向かってコンディションを整えた。
風呂上がりにはアイスだろう。
札幌へと出て、雪印パーラーが朝食の場所になった。
パフェなどスムージーみたいなものである。
駅の土産物屋や大丸で買い物してから、まもなく昼。
予約していた店へと足を運んだ。
タクシー乗り場のおじさんは、「歩けるよ、近いよ」と言っていたが雪道をいくのはそう簡単な話ではなかった。
しかしこれぞ旅。
新雪を踏みしめて歩く半時間ほどの道のりが思い出深い場面の連続となった。
前日に続いて昼に寿司を選んだが家内の表情が気になった。
さっさと食べ終えてGOを使ってタクシーを呼んだ。
運転手によれば寿司はこの辺りよりすすきのの方が美味しいとのことだった。
いろいろ聞くうち、札幌でいちばん美味しい寿司屋やは「やしろ」だと教えてもらい、運転手が空で「やしろ」の住所まで覚えていたから、「いちばん」との信憑性が一気に高まった。
もちろんその場で家内が電話し翌日の予約の手配を済ませた。
すすきのに戻ってチーズを食後のデザートにし、家内は三越へとパトロールに出かけ、わたしはホテルのフィットネスにて一汗かいた。
サウナをあがって家内の長風呂を待つ間、ホテルのラウンジで飲みそして夕飯。
盛んに雪の降り始めたすすきのの夜道を歩いてたどり着き、扉を開けるとそこには瀟洒な空間が広がっていた。
なかなかのレベル。
肉など神戸の北野坂木下レベルだと家内が絶賛した。
家内に褒められつつ若いシェフはメモ帳に北野坂木下と記していたから、そこがどれだけの有名人気店か後で知ることになるだろう。
土曜の夜、大勢の人で賑わうすすきのの街路をのんびり歩いてホテルへと戻り、最上階にあるラウンジで二次会と決め込んだ。
街の灯を受け粒の大きい無数の雪片がきらきらと輝いて眼前を舞う。
そんな夜景を夫婦で眺めて飲むお酒は格別だった。