KORANIKATARU

子らに語る時々日記

記憶の棚に新しい景色

女房との遠出など、ほんとうに久しぶりのことだった。


朝9時の開店を待って喜八洲のみたらし団子を買い、それを携えて新幹線に乗り込んだ。


女房の誕生日を東京で祝う。

そんな趣旨のもと、ほんの少しだけ日常を抜け出す小さな旅を企画したのだった。


世界地図の右端、極東の国ジャパンは駅も車内も、外国人観光客であふれていた。


もはや見慣れた光景の中、女房と並んで座り、仲良く団子を頬張った。


旅すれば日常の回路が一時的に切断され、非日常が流れ込む。


日頃繰り返されるループが切り替わり、すべての事物が新鮮な輝きを取り戻す。

 

女房だって同様。

だから誕生日を祝うなら旅先というのは名案と言えるだろう。


旅を通じ記憶の棚に新たな景色が追加され、夫婦の歴史が刷新される。


京都、名古屋、新横浜、品川と駅を進んでまもなく東京。

新しい時間と新しい記憶が流れ込み、昔の思い出もそっと目を覚ましはじめる。

2025年4月11日朝 喜八洲のみたらし団子を携え東京へ

2025年4月11日昼 大手町 実身美(サンミ)