KORANIKATARU

子らに語る時々日記

空飛ぶゆりかごを乗り継ぐこと計20時間

乗り継いだ後、機内のWi-Fiが機能した。

 

シートにカラダを預けゆったりくつろぎながら業務をこなした。


現場からはるか遠く離れ、かつ地上からもかけ離れていて、その距離感が仕事に余裕をもたらした。


グローブのオンスがかわって、仕事というパンチがふんわり化する。

そんな感じだった。


業務を終えるとあとはくつろぐだけだった。

ほんとうに飛行機というのは過ごし良い。


食事が出て飲み物が出て、映画など見放題である。

まるで、ゆりかご。

そう喩えられるだろう。


このゴールデンウィーク中、上の息子はマレーシアへと仕事で出張となるが、下の息子は大阪に帰って来る。

そのため、家を空ける間も安心して過ごせる。


昨夏のことを思い出す。

迂闊にもロンドンでスリに遭い、わたしはパスポートを失った。


ちょうどそのとき、ホッケーの大阪代表の試合に出るため、下の息子が帰阪していた。

おかげで本籍地入りの住民票の写しをすぐに取得でき、渡航証の発行手続きもスムーズに進んだ。


本当に、幸運だったとしか言いようがない。


まもなくパリ。

そこでわたしと女房は、昨年末に放送された「グランメゾン東京」をみはじめた。


画面に映る京都や東京の街並みに、懐かしさがこみ上げる。

そして、ふと差し挟まれるパリの風景に、旅への期待が一層高まった。


気づけば、13時間のフライトはあっという間だった。

飛行機は静かに、シャルル・ド・ゴール空港へと着陸した。


スムーズに出国手続きが済み、朝9時過ぎ、パリの地を踏みしめた。


吐く息も白く染まる冷涼な空気に、心がぞくり震えた。

 

タクシー乗り場の列に並びながら、わたしたちは旅の始まりの昂ぶりを全身で味わっていた。

2025年4月26日 機内で快適に過ごしパリ着 タクシー乗り場へ