KORANIKATARU

子らに語る時々日記

父の役割は狩猟採集の頃から変わらない

ぶらり本屋に立ち寄ると、レジの前に「進撃の巨人22 巻」「亜人10巻」が置かれていた。
この日が発売日であったようだ。

ちょうどいい、と手に取った。

自分が読むのではない。
息子二人が風呂で読む。

充実のラインナップを提供し続ける我が家のお風呂図書である。
お風呂図書館の司書として、彼らが関心持つ新刊を取り揃えない訳にはいかない。

漫画を買って本屋を出て、なぜなのだろう、遠い昔遥か昔の記憶がおぼろによみがえった。
わたしが園児ともいうような年の頃のこと。

父はしょっちゅうわたしと弟におもちゃを買って帰ってきた。

夜、下町の家の前にクルマが停まる。
弟と二人、窓からのぞく。

父がトランクから何かを取り出している。

おもちゃだ。
箱は横長。
箱に印刷された鉄砲の写真が目に入る。

おお、鉄砲だ。
そのときのワクワク感のようなものが、まるで前世の記憶ででもあるかのように、他人行儀にわたしの胸を去来する。
あまりに昔のことであり過ぎて、考えれば考えるほど、夢と現が混ざり合っているように思えてくる。

当時、父は30代。
若き父が帰宅の度におもちゃを買い求めた心境を想像してみて、すぐに思い当たる。

わたしも同じ。
全く同じ。

昨日は音羽巻。
今日は漫画。

狩猟採集の頃から父の役割は変わらない。

今夜は、明石名店、松竹の玉子焼きを持って帰ることになる。