KORANIKATARU

子らに語る時々日記

空晴れ渡り、心も晴れた

クルマで走ること一時間。

景観が様変わりした。

 

奈良桜井は四方八方、見晴らしがいい。

 

空は晴れ渡り、心も晴れる。

窓を開けると秋の香をたっぷり含んだ涼風が心の内まで吹き込んできた。

 

目指すは安倍文殊院。

三人よれば文殊の知恵のその文殊。

智恵の神様のおわす場所である。

受験の加護を祈るなら、まず筆頭にあがる寺院と言っていいだろう。

 

獅子に乗る御本尊は巨大で壮観。

聞けば日本最大、その丈は7mに及ぶという。

眼前にしただけで胸にじんと来るほどの迫力であったから、大仏師・快慶がどれだけ偉大か、作品を通じて思い知らされた。

 

家内と共に本堂の各所で手を合わせ頭を下げ、最後に絵馬を奉納した。

 

続いて、金閣浮御堂を七回まわった。

これですべての厄災が追い払われたことだろう。

 

最後に合格門をくぐって清明堂へと登った。

高台から天の香具山、畝傍山、耳成山といった大和三山を眺め、千年前、ここで星空を仰ぎ世の吉凶を読み取った陰陽師・安倍晴明の姿を思った。

 

心静まり厳かとなったまま寺院を後にし、三輪山を右手に見ながら北へとクルマを走らせた。

昼食は、かつて大阪で名を馳せた洋食Katsui。

この地でも大人気。

予約していなかったので、50分ほど順を待つことになった。

 

で、もちろん待った甲斐あり。

ベシャ春巻と穴子のフリットを前菜にいただき、カキフライ定食とエビフライ三昧定食を夫婦で分け合った。

 

小春日和の日差しはどこまでも穏やかで、冷気含んだ山の辺の風がより一層心地いい。

そんななかに身をおいて、テラスでの食事の幸福は倍増しになった。

 

だから帰途、家内は上機嫌。

助手席で家内が歌って踊るうち、自宅に到着した。

 

そして先週と同様。

家内が夕飯の支度をする間、わたしはジムで筋トレし、十一屋で赤ワインとサッポロの赤ラベルを買って帰宅した。

 

息子とベランダ焼肉の設営を分担し、あっという間に準備完了。

 

家族3人で七輪を囲みどっさり肉を焼き、ふとした会話の弾みで二男が父母の愛に感謝の言葉を述べたから、ワインがことのほか心に沁みた。

 

当然、家内は長男の分の肉もたっぷり焼いて、次の日、宅急便で息子宛てに送る。

遠く離れているから感謝の言葉は聞こえてこないが、喜ぶ顔が目に浮かび、親はそれだけで十分、胸満たされる。

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2020年11月15日 息子の朝食 デザートはハナミコのケーキ

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2020年11月15日 奈良桜井 安倍文殊院

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2020年11月15日 昼 奈良山の辺の道 洋食Katsui

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2020年11月15日 夜 ベランダ焼肉