三田から紀尾井町のホテルまで自転車を使った。
先月の上京の際、このあたりをランニングしていたから道順を把握していた。
スムーズに走って到着まで30分もかからなかった。
ホテルに着いてすぐ30階にあるスパに向かった。
誰もいないプールで家内と隣り合ってたっぷり泳いだ。
泳いで全身爽快。
旅の疲労は完全に取り払われた。
サウナで仕上げ、東京タワーを眺めながら風呂につかり心地いい無にしばしひたった。
そして、夕飯の時刻となった。
ホテル入口でタクシーに乗り込んだ。
神楽坂の路地で降り、店に入るとすでに二男が到着していた。
和気あいあいとした雰囲気の店だった。
毎月大阪から上京して息子と食事する。
そんな話をすると店員さんが「大阪」という語に強く反応した。
店員さんは大阪の住吉出身で、店長は桃谷に住んでいて鶴橋の空で働いていたとのことだった。
それで大いに盛り上がった。
ここ神楽坂の一角に「ナニワ」が現出したようなものであった。
何とも楽しい店で、すべてが美味しかった。
今夜予定の合わなかった長男も今度連れて来よう。
夫婦で思うことは同じだった。
飯田橋駅で二男を見送り、わたしたちはタクシーに乗った。
ドライバーが女性だったから、嫌な客などないですか、
酔ったおじさんなど扱いにくいのでは。
そんな風に家内が話しかけた。
ハンドルを握る中年女性はほがらか笑って言った。
おじさんの方が優しく、手厳しいのは女性客の方が多い。
ただ、自分が未熟だからそうなると分かっているので、厳しい指摘はしっかり受け止めるようにしている。
叱られるからこそ道を覚えたし、運転も当初よりかなり丁寧になったと思います。
いろいろな場所でいろいろな人が日夜精進している。
わたしたちもまだまだがんばろう。
タクシーを降り、夫婦でそう話し合った。