このところ忙しい。
それでアポの合間の時間を活用する機会が増えた。
次の約束まで30分ある。
こういったときは迷わずカフェに入ってパソコンを開く。
細切れの時間であってもあれやこれや結構こなせる。
そうして思い出すのが33期の島田くんのことなのだった。
彼は細切れ時間を活用する名人だった。
ちょっと時間があればテキストなど手に取って目を通していた。
といってガリ勉からはほど遠い。
彼の学力は微細な時間に発揮される瞬発力の集積によって形成されていた。
大阪星光に塾なしで合格し、京大やら東大やらへ実に自然体、力むことなく合格していたから、その瞬発力の質はめちゃくちゃ高い。
一緒に旅していても、空き時間に彼が無聊をかこつ姿など目にしたことがない。
充実を求める飽くなき好奇心と探究心の強さに、終始ぼんやりし通しのわたしはずいぶん驚かされたものである。
そんな姿を目の当たりにできたことは同級生としての役得と言えるだろう。
時間差をもってその学びをいま活かせているから、わたしはそんな姿を見せてくれた十代の島田くんに感謝するばかりである。
先日、その島田くんが衆議院選挙で当選した。
自民党から出て大阪で衆議院議員になったのは彼一人だけだった。
目から鼻へと抜ける彼の瞬発力は後年ますます磨きがかかったということだろう。
その島田くんから33期宛に挨拶のメールが届き、そこにこんな言葉があった。
「50代半ばですが、冒険の人生を続けたいと思います。一度限りの人生ですから」
「一度限り」という言葉から、彼の瞬発力が生まれる所以が理解できたような気がした。
そうそう、わたしたちも揃って50代半ば。
人生の最終盤へと近づいて、もはやぼやぼやしている暇などないとその言葉によって痛感させられた。
島田くんの瞬発力は、今後更に凄みを増していくに違いない。
このたび自民党からたったひとり大阪で当選した「若手」のホープは、とんでもなく凄い奴になっていくことだろう。
ちなみにタコちゃんが言っていた。
いまや自民党で最もクリーンな男と言えば島田智明。
瞬発力とクリーンさで、彼がどこまでの高みに達するのか。
それを目の当たりにできることもまた同級生としての役得と言えるだろう。