終日、京都での業務が入っていた。
朝いちばんでズームの会議を終え、電車で向かうつもりだったが、家内が送ってくれるという。
助手席にカラダを預け、一路京都へと運ばれた。
ああ、楽ちん。
京都市役所付近でわたしは降りた。
京都の街へと消えていくクルマを見送り、わたしは顧問先へと向かった。
昼前、業務を終え外に出ると、通りの先に停まるうちのクルマが見えた。
助手席に乗り込むと、お茶と和菓子の用意があって、なんて気の利く女房なのだろうと感心した。
午後は宇治にて業務の予定が入っていたが、それまで時間があった。
では、蕎麦を食べようと家内が比叡山に向けクルマを走らせた。
手打蕎麦鶴㐂を訪れるのは生涯二度目のことだった。
つるりとしたのど越しに心までほぐれ、かつ楽しく、まるで遠足ではないか、とわたしは思った。
食後、滋賀から京都を抜け宇治へと移動した。
山村珈琲へ行くという家内を見送って、わたしは業務先を訪れた。
一時間ほどで業務を終え電話をかけると、呼吸もぴったり。
ほどなく家内が戻ってきた。
さあ、これで今日の任務は終了。
ふたりで宇治へと向かった。
中村藤吉でお茶しようと立ち寄ったが21組待ちだった。
順がくるまで寺社町をぶらり歩くことにした。
こうした時間もまた楽しい。
商店街で惣菜を各種選び精肉店で肉を包んでもらい、鰻屋でうなぎを2尾買い求めた。
まもなく順番がやってきて、甘味にとろける夕刻を二人で過ごした。
ふたりとも図に乗って食べ過ぎていた。
だから自宅に戻ってすぐ支度し、なんとわたしたちは午後8時スタートのジムのセッションに向かった。
たっぷりパンプを一時間こなし心身ともに満ち足りた。
持ちつ持たれつ。
わたしがいて家内は助かっているだろうし、家内がいてわたしも助かっている。
お互い真面目に、自分の役割をきちんと果たす。
だからこそ、暮らしがちゃんと形を保ち、日々に実が宿ることになる。
ふたりの時間が、今日も丸々と熟していった。