KORANIKATARU

子らに語る時々日記

田中内科クリニック開院5周年記念


夏日となったこの日、午後4時になっても陽射しは一向に衰えることがない。
ちょうど今頃、相良さんが京橋駅で田中院長と落ち合っているはずだ。

わたしは東西線を使って別途西宮から会場へと向かう。

桜ノ宮駅を降り大川沿いの緑陰の道に入る。
風やわらかく、水と緑の匂いに初夏を感じる。

帝国ホテル4階へとエスカレータで上がっていく。

受付には田中内科クリニックの美貌女子が三人並んで立っていた。
阿倍野のクリニックであっても帝国ホテルであっても、彼女らの接遇の洗練は変わることろがない。
その応対はいつものとおり心優しく丁寧だ。

記帳すると田中院長の奥様からだという内祝いを手渡された。
図書カードのようだ。
二男の喜ぶ顔が浮かぶ。

受付横に立ち、星光生の到来を待つ。

今、田中院長は天六のいんちょに連れられどこか別の場所で勧められるままお酒でも飲んでいることだろう。
今日の主役に会の趣旨は伏せてある。

会場の全貌を開宴まで見せる訳にはいかず、つまりは、天六のいんちょが買って出て田中院長の目を塞ぐ役を果たしているのだった。


定刻5時。
ざっと見渡して市大医学部関係者40名、星光関係者10名。
約50名ほどの出席者で会場は埋まっている。
氏野先生や小松先生の姿も見える。
宮田先生をお見かけし挨拶していると、天六いんちょにエスコートされ田中院長が会場に入ってきた。

と同時、相良さんの司会で会が始まった。

主宰者である天六いんちょの発声から始まり、じゃんさんが挨拶し、じゃんさんの指名でカネちゃんが乾杯の音頭をとって、今日の会の先鋒に立つべき安本先生がまもなく来場し、再度仕切り直しで乾杯、皆で勢い良くグラスを高く掲げた。

会場全体がふんわり優しいような雰囲気に包まれ、誰もが肩の力抜いてくつろいで過ごせる楽しい場となった。

タケダ、羽根、森山、シバヤマ、キジちゃんら星光メンバーと話し込んでいると、なんて久しぶりなのだろう谷くんが姿を現し、そしてシバテンも駆けつけた。

終始和気藹々、田中院長の人柄が可視化されたような会とも言えた。
ちょうどいい感じの人肌感が人を吸い寄せ、田中院長をとりまく輪は広がるばかりで、だから田中内科クリニックにも人が絶えないということになる。
そのメカニズムが目に見えるようであった。


そして、真打ち登場と相成った。

この日最大の出し物は、メモリーズ・アンド・メロディーズの漫才。
元村教授と田中院長がかつて一世を風靡した往年の名コンビをこの日即興で再結成したのだった。

メモリーズという通り、漫才の掛け合いによって親友二人の歴史がユーモアたっぷりに語られ、メロディーズという通り、大笑いさせられるだけでなく言葉が心に響いてじんとさせられる。

涙ちょちょぎれるほど皆が大笑いし、そして、締めとなる元村教授の言葉には黙って耳を傾けた。

これほどの好人物はない。
元村教授がそう語り、皆は一様に頷いた。
会場は拍手に包まれた。


一次会が終わり、わたしは我らが星光の大先輩、松井教授と並んで記念写真を撮ってもらい、二次会の会場へと移動した。

なかの家の座敷は定員30名。
星光からはセノー、島田、グリが二次会から合流し、すでに満杯であったので詰め合って座る。

二次会の乾杯の音頭はハセ先生。
一次会の安本先生の挨拶の真反対、安本先生が右サイドを張ったのだとしたら、その左サイドを駆け抜けるような言葉で二次会の火蓋が切られ、場は一気に盛り上がった。

サプライズを期し細心の注意を払って田中院長に内緒にしてあった今日の会であったが、どうやら筒抜けとなっていた。
ついうっかり期せずして事前にバラしてしまったのはオーノ先生であった。
その顛末に大笑いしながらオーノ先生に酒をついでもらっていると、ソウが現れた。

カリスマ講師の登場で更に場は沸き、モニカ先生がソウの手拍子で踊り出す。

中締めの挨拶を天六いんちょの奥さんが受けて立ち、さわやか可愛らしく皆の注目を集め、そして、ますます賑やか親密な飲み会は引き続くのだった。


ソウは元村教授のことをしきりに男前だ男前だと褒め讃えていたが、その真ん前に鷲尾先生が座り、男前が向かい合うことになった。
わたしも横に座って、男前に交じる。

顔も男前なら話題も男前。
若き頃の一本筋の通った男らしい話を数々聞かされた。

あっという間に時間が過ぎた。
気付けばお開きの時間が迫っていた。

二次会の締めは星光の島田智明。

この7月に河内長野市長選に出馬する。
その挨拶も兼ね、田中院長にお祝いの言葉を述べた。

田中内科クリニックの前途が祝され、皆が島田の出陣にエールを送った。


最後に触れねばならないが、この日の会は相良さんなしでは語れない。
会がつつがなく無事とり行われ大盛況となったのは、フォーユーの相良さんあってこそのことであった。

一歩下がった立場で場の全体を見渡し続けていた相良さんの姿を目に留めた方も多かったであろう。
が、それはこの日だけのことではなく、事前準備など水面下においてもたいへんな尽力ぶりであった。
心から感謝述べねばならない。

このように、心頼もしい幾人もの風車の弥七がバックに控えている。
次なる節目に向け田中内科クリニックは更に地歩を固めていくことになるだろう。

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