KORANIKATARU

子らに語る時々日記

試合前に十字を切るようなもの

電話一つ鳴らない4日午前であった。
ちょうどいいと思い立って昼の時間をまたいで出かけることにした。

梅田経由でまずは清荒神に向かった。
独立するなら清荒神への参詣は欠かせない、そう聞かされて以来、時折足を運ぶようになった。
我欲は極小な方であるけれど、多少なり現世利益も求めたい。

参道は人で埋め尽くされていた。
ご老人の姿が目立って列は遅々として進まない。
人混みの間隙を縫うようにしてヒョイヒョイと駆け上がる。

清澄寺に辿り着いていからも隙つくようにテキパキ各所でお賽銭入れ手を合わせる。
お詣りの所要時間10分。

次回訪れる際にはゆっくり過ごしたいと思いつつ、帰る間際、授与所の列に並んで金運種銭を4つ買い求めた。
財布に忍ばせれば財が成る。
家族4人分でしめて600円。
投資収益は計り知れない。

引き続き阪急電車を使って宝塚から西宮北口へと出て今津まで南下する。
阪神電車で一駅行けば西宮神社。

賑わいのピークとなるえべっさんは数日も先だが、結構な人出であった。
人波に乗ってすぐ本殿。
延々と斜面を駆け上がっていく清荒神参道をコースにすれば福男の顔ぶれは全て入れ替わるに違いない。

手を合わせすぐ事務所へと取って返す。

さあこれで思い残すことなく仕事に邁進できる。
アスリートが試合前に十字を切るようなもの。
清々とした充足を覚えつつ、自身のピッチへと足を踏み入れる。

さあ、本番、どんと来い、である。