待ち合わせ場所は淀屋橋。
大阪駅で降り地下鉄御堂筋線に乗り換えた。
電車に揺られること一駅。
odona南側へと急ぎ、そこで待機するクルマに乗り込んだ。
クルマは静か発進し京都方面へとひた走った。
一時間ほどで目的地に到着。
そこで面談することこれまた一時間ほど。
帰りも同じクルマにお邪魔した。
乗ってドアを閉めた途端、それが合図であったかのように激しい雨が降り出した。
雷鳴も轟く。
が、なにせ頑強なクルマである。
微動だにせず、雨、風を平然と受け止めた。
大阪までわたしを送ってくれると言うが、それではあまりに遠回りに過ぎ申し訳ない。
スマホを見ると中書島駅が近かったので、そこまで送っていただくことにした。
風雨吹き荒れれば吹き荒れるほど安心の境地が深まった。
あくまで静か涼しげにクルマが進んで、まもなく駅の灯りが嵐の向こうに見えてきた。
横付けされたクルマから飛び出しわたしは改札に向かって走った。
雨除けの下にきたところで振り返って手を振り、しばらくそこに立って相良さんのクルマを見送った。
その頑丈なクルマは相良さんそのものとも言えた。
帰途、京阪電車の吊り革につかまって思う。
今回の京都行脚も元をたどればタコちゃんあってのこと。
すべての道が巨大オクトパスにつながっている。
そう気づく。
八本程度ではきかない無数の足が、時空を超えた先の先まで関わって交差し合う。
そんな絵柄を思い浮かべ、タコちゃんさまさま、とわたしはひとりつぶやいた。