KORANIKATARU

子らに語る時々日記

偶然の出合いが必然を生む

昼に合流し天満で家内とカレーを食べた。

心斎橋に出たとき、雨が降り始めた。

 

ツーリストの数がめっきり減って目に見えて街が静かになった。

家内とミナミ界隈を歩き互いにそう感じた。

東アジア屈指の繁華街として、人押し寄せる活気をほしいままにしていたここ最近の光景が、雨の向こうに遠のいてもはや昔の話となりつつあった。

 

買物を終え家内と別れ、わたしは仕事のため八尾に向かった。

 

JR大和路線の久宝寺駅で乗り換える際、雨が激しくなりホームにまで横殴りで降り注いだ。

 

駅からの道中、ずぶ濡れになるのを覚悟したが志紀駅を出たときロータリーに停まるクルマのライトが明滅した。

迎えに来てくれたのだった。

 

業務を終えると夕刻。

雨はあがっていたので、送ってくれるというのを固辞し志紀駅まで歩いた。

 

久宝寺駅で快速に乗り換え空腹もあって真っ直ぐ家に帰ることにした。

長男がかつて辿った下校コースをなぞるようにして家へと向かう。

途中、現在地をメールするとすぐ家内から、いま立花付近だとの返信が届いた。

 

先を行く家内に追いつくのは、ちょうど夕飯の支度が整った頃だろう。

 

横殴りの雨みたいに人でごった返す大阪駅で乗り換え、無事地元の駅に着くと家内からメールが届いた。

肉が足りないので買ってきて、とのことだった。

どうやら二男もいま家路に就いていて、一緒に夕飯となるようだった。

そりゃ肉はいくらあっても足りない。

 

三人で食卓を囲むのは久々のことだった。

二男がBGMにエルトン・ジョンのベストを流した。

 

ビリー・ジョエルとエルトン・ジョン、2歳差のこの2人が双璧。

この2人ほど裾野広くまた長きに渡って愛される曲を多く生み出したアーティストはいない。

 

二男の言うとおり、わたしも同感。

「ロケット・マン」は必ず観に行くべきだろう。

そう話し、二男は友だちと、わたしは家内と週末に観に行くことに話が決まった。

 

誰かの誕生日でもないのに、家内はいつも手の混んだ食事を用意してくれる。

牛しゃぶをポン酢で食べ胡麻ダレで食べ、各種野菜も盛りだくさん。

 

ぱくぱく頬張りながら、話題は正月の旅行に移りそこから将来の旅行の話へと広がって、第二外国語の話へと行き着いた。

 

二男が語る。

中3の夏にした留学で各方面に友人ができたが、特にロシアの友人と仲がいい。

だから、いまロシア語の勉強を少しずつ始めていて、大学生になったときの第二外国語はロシア語を選ぶと決めている。

 

そう言えばとわたしも口をはさむ。

 

長男が留学したときドイツ人と相部屋だった。

歳月流れ、彼は豪州のプロサッカーリーグに現在所属しているが、いまも長男との交流が続いている。

そう思えば、長男が第二外国語にドイツ語を選んだのもごくごく自然な話と頷ける。

 

ロシア語であれドイツ語であれ、友人との再会が前提の話であり、そんな再会が未来に織り込まれているなんて実に素晴らしいことである。

 

偶然の出合いが必然を生んで第二外国語が決まるように、将来の進路も、偶然が生む導きによって決まっていくのだろう。

 

数日前、長男は東京の従姉妹二人に焼肉屋に連れられた。

そこから二男に動画でメッセージを送ったという。

東京、楽しいよ。

 

そんな些細なやりとりが道標の働きを為すことになる。

たそがれゆくのかもしれない関西を後に、二男もまたまずは東京に行くことになるだろう。

 

牛肉を食べ尽くすと、家内がこの日仕入れたハモを鍋に投入した。

そして、奈良で先日買ったヤマカツの素麺がしめを飾った。

 

ハモも素麺も唸るほど美味しく、肉も含めれば序盤から終始美味しい食事だったことになる。

 

今後エルトン・ジョンの曲を聴けば、この日の話題とともに料理のことも鮮明に思い出すことになるのだろう。

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2019年8月27日 息子の朝食 へぎそばとトマトのすり下ろしジュース

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2019年8月27日正午 天満 ナーガカリー

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プレイバック昔の写真 2008年11月24日夜 新大阪 東京旅行を終えて