総勢9名。
期はバラバラの星光生が円卓を囲んで座った。
豊後水道は魚の宝庫、だからその漁場を挟んで向き合う大分と愛媛は魚が美味いとの話を皮切りに懇親会が始まった。
33期妹尾くんが復調し、数日後には飲酒が可となる。
つまりこの日、妹尾くんの盃にはノンアルビールが波打った。
大阪星光の懇親会であるから話の中心は大阪星光について。
なんでこんなに知名度に乏しいのだろう。
メディア取材を拒むのもほどほどにした方がいい、星光の良さを知ってもらうには36期の小川大介さんにスポークスマンになってもらうのが適任なのではとの話が出て、そこで41期の公認会計士矢本さんが小川さんの著書を3冊読んで感銘を受けたとの話を織り交ぜ、そんなに読むと星光ではなく灘に通っちゃうよと誰かが言って一同笑った。
9人の言葉が弦を引くように円卓上をまっすぐのびのびと行き交い、大皿の料理を53期の弁護士塩見さんが取り分けて小皿に載せ言葉と同様各方面へと出航させた。
続いて親子星光会の話になった。
35期森田さんに注いでもらった紹興酒をゴクリ飲み干し、わたしも親として意見を述べた。
星光でよかった。
息子らを見ているとほんとうに仲が良く、その結束はそこら地縁血縁を凌駕すると言っていいくらいである。
いつもまわりに友だちがいる。
中学卒業時の文集に誰かが書いていたとおり。
そんな環境に息子がいて親として心強いこと果てしない。
もちろんわたし自身についても大満足。
心優しい友だちに恵まれて、なんて幸せなことだろう。
親子星光会はそういった満足感を体現する声そのものと言え、学校自体が長所についてこれまで寡黙に過ぎたのでこれくらいの「声」は漏れ出ていいのではないだろうか。
28期松井教授が発起しその尽力あっていま親子星光会の形が整いつつある。
そういう意味で親子星光会の組成は、いいものはいいと今後は発信していく産声みたいなものと位置付けられるだろう。
そんな話をしながら注がれるままに飲み続けいつしか夢と現の境も曖昧、パソコン上のビジーカーソルみたいに思考はぐるぐると円を描いて役目を失い、酔いの上機嫌に玉座を明け渡すことになった。

