朝7時に家を出た。
助手席に座る家内が朝っぱらからよく喋る。
エステの施術者の話やヨガの先生の話を聞くうち関空に到着した。
三連休だから関空は混み合っていた。
保安検査場の列がとぐろを巻いて気が遠くなるが家内の友人の話を聞くうち、気づけば出国ロビーの北ウイングにて二人で向き合いうどんをすすっていた。
機内で過ごす3時間も同様。
台北に着いて何をどうするのかとの話を聞くうちあっという間に過ぎていった。
桃園空港からMRTを使い台北駅に出て、ロッカーに荷物を預け地下にあるタクシー乗り場から、ティンダイフォンの本店へと真っ直ぐ向かった。
人気店であるから110分待ちで、その間、わたしたちは台北を代表する散策スポットである永康街を買い物などしながらぶらついた。
その間もずっと家内は話し通しだった。
これから冬だからヨーロッパは寒い。
年内はベトナムやマレーシアあたりに行こう。
ネットで待ち人数が表示される。
思った以上に早く順が回ってきて、急ぎ足で店へと戻った。
案内されたのが二人席だったから家内が店員に言った。
私たちはたくさん注文するので四人席にしてください。
テーブルを広々と使いわたしたちは飲んで食べた。
息子たちと来れば六人席じゃないと無理だろう。
おいしいものを食べると必ず家内は息子たちの話になるのだった。
たっぷりと食べ、散策を再開し豆花をデザートにしてからタクシーを拾って駅へと戻った。
ロッカーで荷物を取り出してからまたタクシーでホテルへと向かった。
スタッフは親切で部屋は広くて眺めよくホテルのチョイスは正解だった。
最上階のバーでウイスキーを飲み、外に雨が降り始めて空間がしっとりとしたものになっていった。
賑わう中心街で日中は遊び、夜は喧騒を離れて静かに過ごす。
自然と話題は昔話になって、だから結局夜更けまで家内の話は尽きなかった。