KORANIKATARU

子らに語る時々日記

自身のちっぽけさがことのほか心地よく感じられた

5月に訪れたスペインではFREENOWを活用した。

今回のイギリスではBoltというアプリが重宝した。

 

植物園を散策し終えイーストゲート前でタクシーを呼んだ。

5分もしないうちにやってきて便利なことこの上ない。

 

運転手は中国系だった。

コロナの影響で学生やビジネス目的の来訪者を除いて中国人観光客が激減したという。

キング習近平の政策については疑問符だらけだが誰も逆らえない、そんな不平を運転手は漏らした。

 

もしここが中国なら下手に相槌も打てない、そう思いつつわたしは曖昧な受け答えに終始した。

 

午後にエディンバラ城をめぐるツアーを予約していた。

待ち合わせ場所はアドヴォケイツ・クローズの前で、世界津々浦々からの観光客が集結していた。

そこに混ざって、ルーツはスペインだという先導役マルコスに率いられロイヤル・マイルをエディンバラ城へと向かって進んだ。

 

説明のなか当然に映画「ブレイブ・ハート」の話題が出て、わたしも含め観光客らにとっても映画は周知で、ロバート・ブルースとウィリアム·ウォレスというスコットランドの英雄についてマルコスが熱く語り、観光客らは輪になってその話に熱心に聴き入った。

 

キャッスル・ロックにそびえ立つ城はまさに最後の砦といった様相で、歴史のなか何度も取り囲まれ、スコットランドの盛衰と歩みをともにしてきた。

 

そんな歴史に思いを馳せつつ、見晴らしのいいその頂からエディンバラの街を一望し、なんというのだろう、微小な個である自分という存在の、その等身大のちっぽけさが身に沁みて清々しくも楽しいような気持ちになった。

 

城を後にしてホテルへと戻り、一休みして今度はカールトン・ヒルへと向かった。

エディンバラ城の標高が130mでカールトン・ヒルが103m。

高い建物など存在しないから、ここからの眺望も素晴らしかった。

 

間近に迫るフォース湾から入り込んでくる風に吹かれ美しい街並みが自ずと目に焼き付いて、物の数にも入らない自身のちっぽけさが心地よくそのコントラストと相俟ってエディンバラ愛がダメ押しで増幅することになった。

 

そこから新市街を歩いて夕飯の場所へと向かった。

予約してあったのはスパニッシュ・ブッチャー という店で、これは博多の寿司屋で隣り合った香港の青年に勧められてのことであった。

 

親切でとびきりキレイなウェイトレスにすすめられるまま注文し、そんな勢いのままステーキは600グラムもの量を頼んでしまった。

 

しかしこれがうまいのなんの。

ペロリ平らげ、腹ごしらえは整った。

 

そしていよいよ旅の目玉。

ミリタリー・タトゥーが始まろうとしていた。

 

時刻は午後8時を過ぎていたがまだ明るく、青空をバックに聳え立つエディンバラ城へと向け緩やかな坂道を登っていった。

2024年8月12日午後 エディンバラ城ツアー

2024年8月12日 カールトン・ヒル

2024年8月12日夕飯 Edinburgh The Spanish Butcher

2024年8月12日 ミリタリー・タトゥー(Royal Edinburgh Military Tattoo)の会場へ移動