最近できた友人の3人が3人とも未亡人だからだろうか。
家内はこのところしきりにわたしの体調を心配してくれる。
事あるごとに無理せぬよう忠告されて、そのたびわたしは説明する。
昔に比べ、いまどれだけ楽か。
仕事に出るにしても昼前で、業務が終わるのは夕刻。
平日早い時間にジムへと通い、土日祝日は仕事から解放されて好きなだけ遊べる。
ここに無理の入り込む余地はまったくない。
それでも家内はあれこれ世話を焼く。
この日は家内の次の順でインディバを受けることになった。
以前、無理やり連れられて確かにカラダにいいと分かったが、ちょっと辺鄙な場所にあり自ら足を運ぶ気にはなれなかった。
それに、若い女性セラピストを前に紙パンツ姿で横たわるのも気恥ずかしい。
が、予約を入れられ念を押されたからには致し方ない。
わたしは仕事後、インディバサロンへととぼとぼ足を向けたのだった。
そしてまな板の鯉になること120分。
芯から癒され、わたしは次回の予約を自ら入れた。
たとえ昔より楽であっても業務をこなせば、心身に目詰まりが生じて風通しが悪くなる。
そんなときは折々人の手を借り、たまには最新機器の恩恵に与るのも大切な心得だろう。
この先はなだらかな下り坂を、道が途絶えるまで進むだけ。
受け身で楽を感じるだけでなく、自ら楽を求めてこの滑降を大いに楽しむのでいいのではないか。
最強寒波がここ関西圏にもひたひたと近づくなか、そんなほくほく気分で家路についた。