週末の金曜、針中野にて業務があった。
顧問先は駅から歩いて15分。
だから家内はクルマで行けという。
が、この日の最終地点が梅田だったからクルマは邪魔にしかならない。
そう返すと、じゃあ送っていくと家内は言う。
連日になるのは申し訳ない。
予定通りヨガに行ってくださいとその申し出を固く断った。
電車で移動し駅からは日傘を差し、われらが33期もりやまクリニックの前を通り過ぎた場所にて業務すること3時間ほど。
帰りは午後2時近くになった。
空腹だったから駅前で喜多方ラーメンを食べることにした。
で、驚いた。
示し合わせたみたいに客のおじさんたちがビールを飲んでいた。
悠々自適な方々といった風ではなく仕事の合間と見えたから、ビールの一杯くらいどうってことはないといった世界もあるのだろう。
先日、若い事業主が言っていた。
ビジネスの出会いは飯屋で生まれる。
平日、ちょっとした寿司屋で昼からビールを飲んでいれば、だいたい「似通った」種族であることが多い。
だから共通点も多く感性も近く、仲良くなって仕事につながりやすい。
そんな話を聞いて、なるほど一理あるかもしれないと思った。
実際、うちの家内など食事の場所を通じて長い付き合いとなる友だちを得ている。
要は心構え一つ。
類は友を呼ぶで、どこで食事するかで未来の扉が開き得る。
わたしは場末のラーメン屋にて、ではわたしにとってよき出会いがもたらされる「飯屋」はどこだろうと考えてみた。
平日の昼からビールという世界は相容れず、かといってシラフでどこかの誰かに話しかけられても、受け答えに困るだろう。
結局、わたしにとって飯屋は知己を得る場所でもビジネスが生まれる場所でもないと思い至った。
さあ、次は梅田。
引き戸を開けて外に出ると、容赦のない日差しが照りつけ、空気を縁取る夏色が一層その濃さを増していた。
わたしの役割は訪問先で生まれる。
さあ、この夏空の向こう。
まだ見ぬ縁が待っている。