KORANIKATARU

子らに語る時々日記

異次元レベルの競い合い

そのときはあまりよく理解していなかった。

一体どんな層の人たちが集う場であるのか。


いまでは実によく分かる。

学校での集まりに参加すれば父兄がどのような背景の方であるか分かるし、また、仕事柄、どんな父兄の子どもたちがそんな学校を目指すのかも見えてくる。


知らぬが仏とはよく言ったもので、もし当時その全景がいまのように見渡せていたら、怖気づいてとてもではないが挑むことさえ躊躇われたのではないだろうか。


わたしたちの親の世代であれば、優秀であってもたまたま学を志す機会に恵まれず目立たぬ場に身を置くというケースも珍しくなかっただろうが、わたしたちの世代では状況が異なる。


よほど勉強が嫌いか怠け者でない限り、少しくらいは能力をストレッチすることになり、出来のいい人ならまあ適材適所、ほぼ例外なくそこそこのポジションに達しているとみていいだろう。


だから、わたしなどからすれば見上げるような水準の、世間的にも分かり良い高みに達した方々が親となって集積し、拡大再生産よろしく、子らをより一層の高みへと導いていく様はまさに雲の上にてなされる営為といって過言ではない。


そこで手塩にかけられる子どもたちは我が子とは似て非なるもの。

ものが違うし格が異なる。

そんな子どもたちが競い合うのであるから異次元の話と言った方がいいだろう。


何も知らずそんな場に足を踏み入れた場違いについて、いま思えば肝が冷える。


今年も結果がちらほらと聞こえてくる。


周囲見渡せば知的に図抜けたような親ばかり。

そんな親が全力投球し、数年に渡って労を惜しまず後方支援するのであるから、子が灘や甲陽や神戸女学院といった名門中の名門に合格するのも推して知るべしといった話であり、そもそも世間の大半はそんな親とは縁もゆかりもないので太刀打ちできるはずがなくせいぜいエキストラといった役回りとなるのが通り相場と言えるのではないだろうか。


生まれたときに雲の上、というのでない限り、お金を積んでも泣いて喚いてじたばたしても決して達することができない場所がある。


余計な幻影に惑わされず、自身に真っ正面から向き合うためにも子どものときからそう知っておいた方がいいように思う。


親がそこをはき違えれば子が辛酸舐めることになる。

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2019年1月21日 夕飯のメンバー