ジムを終えての帰途、風呂に寄って帰る予定だったので帰宅は1時間も後になる。
だから二男指定の寿司を持ち帰ったとしても鮮度が落ちとても口にできたものではないだろう。
それで風呂にゆっくり入ったうえで家へと向かう道すがらスーパーの寿司を買って帰ることにした。
午後6時を回ると2割引となるようだ。
こんな形で運を使うなんてと逡巡しつつも得した気分で二男のために2パック買った。
帰宅し家内とビールで乾杯と思いきや、開けたのはプレミアム違いのチューハイだった。
デザインが酷似していて気づかなかったが外側がいくら似ていてもビールの代用とはならない。
缶を持ったまま思案していると二男が言った。
隣の家に持っていく。
このところ隣家のご子女もいけるくちになったようである。
開けたばかりの缶を持って隣家に駆けて行き、二男が戻って言うには渡した瞬間にグイッと一口飲んでご子女は喜んでいたということだった。
近隣の方は皆人柄よく、このように近所中の仲がいいので実にここらは住みやすい。
手が空いたときに二男が観るようちょうどアキ・カウリスマキの映画をTSUTAYA宅配便でいくつか借りてあった。
こんな風であれば人の世も捨てたもんではない。
ちょっとしたことで世知辛い世が様変わりする、そんなお手本としたくなるような心そのものがシンプル言葉少なに描かれる。
そして心は世界共通。
ぜひとも全作に目を通しておいてもらいたい。
もちろん勉強の合間合間に。
わたしはそれだけ二男に話し、そのあと食卓の話者は家内となった。
家内の二万語に男子二人で耳傾け賑やか楽しく、三人並んで自撮りした写真を長男に送るなどしているうち、人知れず連休最終日の夜が更けていった。