帰宅すると豪華な食事が用意されていた。
大ぶりの肉が幾枚も焼かれ、うなぎの蒲焼がサイドディッシュの役目を果たす。
糖質制限麺で作った彩り鮮やかなうどんサラダも添えられ、モモにメロンもあるから龍宮城も顔負けといったレベルである。
少し意気消沈気味なのが分かったからだろう。
家内は家内なり気をきかせてくれるからその心が有り難い。
ビールを注ぎ合い料理を分け合い、今度上京した際、長男と食事するための焼肉屋と寿司屋を二人で選んで家内が予約の電話を入れた。
焼肉と寿司、息子と会うならこの双璧は外せない。
会うのが楽しみで、食べることも楽しみ。
ああ、楽しみだけが人生だ。
食後の風呂上がり、久々に家内の耳つぼマッサを受けた。
肩からほぐしてもらいそれだけでもうっとりするが、首、頭部に指が適度に入って、ああとても気持ちがいい。
数々研修を受け以前にも増して腕を上げていることが家内の手つきから窺えた。
仕上げは器具を使っての耳つぼマッサ。
痛いがしかしこれが効く。
おかげでわたしは久々ぐっすり眠れた。
日常に影差すときも、家族の顔を思い浮かべるだけで心温まる。
友人にも恵まれ、言うことなし。
そんなことを思って寝るので、耳つぼマッサのリフトアップ効果も相まって、わたしの寝顔は笑顔であっただろう。
そしてこんな毎日を日記に書き、日を置いてから読んで反芻するので、一粒で二度美味しい毎日ということになる。