暦で言えば大雪。
土曜の朝も冷え込んだ。
電車がやってくるのが待ち遠しい。
寒さにかじかみ、待つこと5分。
ようやくのこと和泉中央行きの準急がやってきた。
中は暖かく、席はがらがら。
しばし、自身と向き合う時間となった。
鉛色の空の下、街は静けさに包まれて、そんな窓外の景色に同化して心も落ち着きしんとする。
2月に開院するクリニックがあって、その準備のためこの日、重要な任務を担うことになっていた。
南海電車に運ばれながら、気合も満ちてちょうどいい感じで気持ちが整った。
そして成果があって、事が大きく前に進んだ。
夕刻、充実感に胸満たされて、元きた道を引き返し事務所へと帰還した。
いくつか連絡業務を行って、次に向かうは法善寺。
かねしろ内科クリニックの忘年会が鮨うちやまで行われることになっていた。
午後6時、店に入って一度座敷の前を通り過ぎた。
どこか麗しの女子大か福娘か何かの集まりだと思ったからだったが、呼び止められたのでよく見ると、そこに座っていたのは、かねしろ内科クリニックのスタッフたちであった。
招き入れられ腰掛けて、思い出すのは昨年の12月5日。
タコちゃんとカネちゃんと阿倍野に集まり、開院について本格的に話し合った。
そのときこんなに素晴らしいスタッフに恵まれるなど想像もしていなかった。
話し合いと同時、不可視ではあったが導火線に着火したみたいに何かが動き始め、福袋のなか秀逸な人材が集められたとしか言えず、これはもうカネちゃんを後押しする大きな力が働いていた言う他ないだろう。
仕事となれば最強の精鋭、そして皆が皆、チャーミングで明るく楽しい面々。
半年前、平野の地にお目見えしたチームかねしろは既に地域の顔になりつつあって、当初の清新な息吹を保ったまま更に勢いを増している。
医療人として残りの半生、すべてを地域医療に捧げる。
そう断言する院長の言葉に嘘はなく求道者となることに最大の喜びを見出したのだろう、その表情は不敵に明るい。
地の塩、世の光。
金城院長を見て思う。
確かに大阪星光は一隅を照らす人物を輩出している。