夏用のアロマスプレーを家内が調製してくれた。
これで炎熱を縫って爽やかな香りが匂い立つ。
家内がアロマに凝り始めたのはいつ頃のことだったろうか。
趣味が嵩じて資格まで取得したから実に家内らしい。
わたしだけでなく息子たちも事あるごとにアロマオイルを塗布されてその恩恵を受けてきた。
今回、彼らのもとにもスプレーが届き、彼の地においても清涼な香りが匂い立つ。
そのようにアロマとは切っても切れないわたしたちであるから、昼食の場にアロマ売りの大御所がいてすぐに気づいた。
よくあるマルチな商法で会員になれば安く手に入り、会員を増やせば大御所の懐が潤う。
頻繁にアロマを買う家内であるから会員になるよう誘われて、即座、胡散臭いと思って断った。
人間関係が毀損されても屁でもない。
そんな腹の太い人物でない限り、ネットワークビジネスには近づかない方がいいだろう。
一見、イノセントな顔立ちをしているから気づき難いが、注意深く見れば、まるで蜘蛛の巣、ネットワークビジネスの網が至る所に存在している。
特に瀟洒な住宅街で、セレブ風情への擬態が伴えば尚更。
繰り広げられているのがまさかさもしい営業活動などとは夢にも思わないだろう。
振り返れば懐かしい。
かつて家内を当てこすった人物も、利用されたのかどうなのか同種の場にてタヌキ検定有段者らのなかに混ざって太鼓持ちとして一役買っていた。
昨日の日記にも書いたとおり良い流れを維持するのは難しく、流れに障ると思えばハナから関わらぬのが賢明と言えるだろう。
だから改めて釘を刺しておきたいが、当の人物とは家族まるごとこのまま一生疎遠でとお願いしたい。
そちらからうちの息子たちに話しかけるなどあってはならず、こちらも当然声などかけないし目も合わせない。
もし万一、同じ場に居合わせたとしても、まるっきり無視し合うというのが手間も省けて楽だろう。