KORANIKATARU

子らに語る時々日記

雪が博多の美味をより一層際立たせた

吹雪いてきたのでキャナルシティのユニクロに寄って夫婦揃ってヒートテックを上下で買った。

 

しかし思った以上に冷え防寒対策を施しても往来を歩くなどとてもできず、行き先は近い場所であったがタクシーをつかまえた。

 

窓外は雪景色で市街地にも雪が降り積もり始めていた。

 

昼食の場所として「たつ庄」を家内が予約してくれていた。

つまみと寿司のコースでひとり22,000円だというから、北新地あたりの寿司屋と変わらない。

期待に胸が高鳴った。

 

店に入ってカウンターに座ると他の客は外国からの観光客ばかりだった。

大将に聞くとそれが普通の光景だとのことだった。

 

寿司愛というのだろうか、大将の寿司へのこだわりは並外れたものだった。

シャリに砂糖を一切使わず、ネタの味付けも極力控える。

引き算の極みといった技で、素材の組み合わせだけで味を操る熟練の技術は卓越の域にあった。

そして窓外を絶え間なく舞う雪がその味を更にいっそう際立たせた。

 

隣席は若い韓国人カップルだった。

身なりがよくルックスもよく、ひとめで富裕と窺い知れた。

 

予想どおり。

機会を捉えて家内が英語で話しかけ、女子同士、意気投合し始めた。

こういうとき、男子は女子の向こうで一歩引く。

 

インスタのアカウントを交換し互いその内容に惹かれ合っていたから、この先もコミュニケーションが続き、いつかまた再会することになるのだろう。

 

韓国人カップルが店を出て、入れ替わりで日本人夫婦がやってきた。

やはり家内は話しかけた。

 

夫はローマで働く国連職員とのことで、帰国すると必ずここの寿司を食べに寄るのだという。

イタリアの世情についていろいろ教わり、イタリア料理の美味について会話がはずんで、自然な会話の流れで奥さんには阪神間に多く友人がいると分かったので、おそらくまたどこかで会うことになるのだろう。

 

食後、いったんホテルに戻って、家内は部屋で一休みし、わたしは夜に備えてホテルのプールでしっかり泳いだ。

 

夜にかけ寒さは増すばかりだった。

何か目当ての品があるかもしれないと家内が言って岩田屋に寄るがあてが外れ、そこから目と鼻の先だったので凍てつく寒さのなか「やまちょう」へと歩いた。

 

夕飯も寿司。

コースのみで11,000円、これにハイボールや焼酎の飲み放題がついている。

いくらなんでも安すぎる。

値段としてあり得ないが、評判がいいので家内がそこを選んだ。

 

正解だった。

噂に違わずすべて美味しく、わたしは家内のチョイスに感謝した。

 

ここでも他の客に家内が話しかけ、翌日の昼にモツ鍋を予約していたが、博多なら水炊きだと一人の客が強く推し、その場で二席を予約してくれることになった。

そしてこれまた大正解となるのだった。

 

店を出て、川沿いを歩くと屋台があった。

満腹だったはずだが避けて通る訳にはいかないとそこでとんこつラーメンを食べた。

 

隣がまた若い韓国人カップルで家内がいろいろ話していたが、夫婦揃って飲み放題で飲みすぎて、ここから先の記憶は夜空を舞う雪の景色の向こうへとかき消えた。

2022年12月23日 グランドハイアット福岡

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2022年12月23日昼 薬院 たつ庄

2022年12月23日夜 天神南 寿司割烹やまちょう

2022年12月23日夜 中洲那珂川通り 赤之助