坂越から届いた牡蠣28個をすべてさばき、それで出汁をとってご飯を炊き、特製の牡蠣ご飯が仕上がった。
わたしは息子らに手渡す衣類や靴などを荷詰めして、バッグを背負って手にも提げ、準備完了。
家内とともに家を出た。
祝日だから電車は空いていて、おそらくメキシコ戦もあったからいつにも増して空いていた。
新幹線のなか、時々試合経過を確認するが、先制され雲行き怪しく、追いつくもすぐ引き離されたから、これでWBCが終わってしまうのかと寂寥を覚えた。
東京駅に着いたとき、ちょうど9回裏に差し掛かるところで後ろの席のおじさんが誰にともなく言った。
これでサヨナラ勝ちのお膳立てが整った。
で、東京駅にて手荷物を預けたとき、そこかしこ、日本が勝ったとの声があがって、ちょっとした歓喜の波がそこらに渦巻いた。
そのように日本中が熱く燃えた春分の日、家内と共に咲き始めた桜を眺めて、後楽園、外濠公園、靖国神社、千鳥ヶ淵と散策し待ち合わせまでの時間を過ごした。
まもなく夕刻5時。
ウルフギャングの丸の内店にてひさびさ家族四人が出揃った。
Tボーンステーキ、リブアイステーキ、フィレなど肉ばかり頼んで所狭しとなったから、わたしたちのテーブルは都合3回拡張された。
ビールを皮切りに旺盛に飲んで食べ、4種の部位を平らげ赤ワインを3本空け、それでもまだハイボールなど飲み続け、締めの肉盛りガーリックライスも大盛りをかき込み、事前に家内が店といろいろ打ち合わせもしてくれていたから、すべてにわたって行き届いた完璧な夕飯となった。
大手町駅へと向かう長男を見送り、東京駅にて二男を見送り、わたしたちは京浜東北線のホームへと向かった。
いい感じで酔って夫婦揃って夢見心地。
家族揃っての夕飯の余韻にひたりつつ桜木町駅まで運ばれた。