朝、わたしが気づいた時には家内はすでに息子たちへの発送を済ませていた。
今年最後の食料を朝一番で配送センターに届け、そして家に戻ってすぐまた出かけていった。
朝10時の営業開始と同時、ジム活するのだと家内は言った。
わたしもちょうど出かけようとしていたが、急な案件が入ったので取りやめた。
事務所へと行き来する時間が勿体ない。
それで在宅ワークを決め込んだ。
夕刻、業務が一段落したところでわたしはジムへと赴いた。
小雨そぼ降り冷え込む平日、ジムはガラ空きだった。
思う存分運動して帰宅すると、すでに家内も家に戻っていた。
そしてここから家内のワンマンショーがはじまった。
食事するわたしの前に立ち、家内が今日一日を振り返った。
単に振り返るのではなく、漫才コンビであるテンダラーの動きに似せて、躍動感たっぷりに今日一日の動きをなぞるから、ちょっとしたコントを鑑賞するようなものであった。
朝、配送センターに荷物を届け、家へと取って返し、ジムに一番乗りして筋トレし、続いてレンタバイクを駆ってサロンに向かい今度はインディバの施術を受け、そこからまたバイクに乗ってヨガスタジオを訪れた。
そしてヨガを終えた夕刻、事務所へと寄り、届いて積み上がったお歳暮の包みをひとつひとつ開封し、中身を皆に見せてから各自に分けた。
そういった一日のあれやこれやを、サウナで見かけたおばさんのモノマネなども織り交ぜながらテンダラーの調べにのせてコミカル&リズミカルに動きに動いて表現するのであるから、芸達者であることこのうえなくおもしろおかしく、かつその体力や恐ろしい。
十年に一度の最強寒波が日本列島に近づいている。
そんな話が遠い異国の出来事のように感じられるほど、家内のおかげで家のなかは明るく暖かさに満ち満ちた。
そしてその勢いのまま家内は英会話のレッスンへと突入していった。
講師を務めるエジプト人の青年もまた大いに笑わされることになるだろう。