あらかじめ希望にかなう物件がチョイスされていたのだろう。
土曜日に不動産屋を訪れ、数箇所まわってピンとくる出合いがあった。
それでその日のうちに申し込んで審査も終わって成約。
このたびキャンパスが変わる。
せっかく上京したのだから、機会あれば別の地でも暮らすべきだろう。
元いた場所より通学時間が増す。
そこは引き合わないが、本人がよくよく考えての結論であろうから尊重したい。
好きにすればいいことである。
その地に引き寄せられた理由については容易に察しがつく。
西大和勢の引力とでもいうのだろうか。
同級生らがその周辺に多く住んでいる。
それがあっての縁と言うしかない。
住む場所が変わればすべてが一新される。
武蔵小杉で始まった春が下北沢でまた息を吹き返す。
わたしも興味津々。
だから引っ越しを手伝うと息子に申し出たが、自腹と自力でやるという。
後日落ち着いた頃、息子を訪ねてそこらを一緒に歩く。
東京で暮らした学生当時、下北沢にはちょくちょく足を向けた。
あれからざっと三十年。
実に感慨深い街巡りになることだろう。