そろそろ息子らが帰ってくる。
家内の二万語はいつも以上に息子らのことで占められて、彼らを迎える家内の前傾姿勢はその角度を急激に増しつつある。
あれもこれも食べさせようとの話に加え、馬子にも衣装、服も買いに出かけねばならないと行き先が増えていくから、ゆっくりするどころか予定ひしめき、かなり忙しい年末年始となる雲行きである。
久方ぶりの「全員集合」が家内にとっては黄金の時間。
迫りつつあるその時に向け活性を増す家内は言った。
すべての時間が大切な思い出になる。
留守のとき、世界は味気ないモノクロのようなものであり、二人が姿を現した途端に映像に色がつく。
家内にとってはそのようなものなのだろう。
家内が折々送ってくる写真をみればよく分かる。
暇な時間に写真を眺め気に入ったものがあればせっせとわたしに送って寄越す。
息子らが写るものばかり。
今回の全員集合でも様々なシーンが生まれることだろう。
その場で過ぎて終わるのではなく、それら瞬間瞬間が家内にとっては永遠も同然。
つまりまもなく永遠の時間がやってくるのであるから、この騒ぎも理に適った話と言えるだろう。