KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

唯一無二のモチベーター

昼も夜も66期と一緒に食事するといってこの日も二男は外へと出かけた。 土曜に続き日曜の夜も夫婦二人での食事となった。 白ワインを開け夫婦でカワハギの鍋を囲み、家内の話に耳を傾けた。 話題は図書館でのこと。 正午に自習席の入れ替えがある。 家内は目…

たまに女房と連れ立って食事する

朝、軽く片付けようと思った仕事の書類が見当たらない。 事務所に忘れてきたのだった。 それで平日よりも早い時間に家を出て、無人の事務所で作業にかかった。 土曜日だからかかってくる電話はなく、いつもより時間がゆったりと流れているように感じられ、改…

いまかいまかと最強元気が待ち構えていた

帰宅しソファに寝転がった。 いつか読もうと思って抜き取ってあった新聞記事をひとつひとつ手に持ち、じっくり目を通していく。 不思議なことに仰向けだと内容がよく頭に入ってくる。 やはり新聞は欠かせない。 なければ社会のあれこれについて無知のままに…

彼の国にも、わたしたちがいる

体調がいいと仕事が捗る。 だからこの日も仕事を終えて岩盤浴に向かった。 四十代の頃は毎日のようにプールに通い、プールのない世界など考えられず、それを想像しては恐れ慄いた。 五十代でそのプールが岩盤浴に置き換わったようなものである。 世界から岩…

喜ぶ顔が目に浮かぶ

国立大学の入試が行われるこの金曜と土曜、関西に住む66期の友人らと連れ立って二男は温泉地で過ごす。 そして今季組の入試が終わった後で、晴れてめでたく皆で揃って「ほんとうの」卒業旅行に赴くことになる。 時は移り所は変われど、星光生の仲は不変。 い…

噛み締めたのは喜び

祝日を前に、二男がぶらりと帰ってきた。 朝、一緒にご飯を食べてから家を出た。 昔なら朝5時起きでの出発であったが、いまはゆっくり。 午前10時の電車はガラ空きで、ゆったり並んで座って電車に揺られた。 谷六駅で降り商店街にてスタッフの弁当を買う。 …

母業という孤高の道

日曜の夜、家内が予約したのは珍しくも焼鳥屋だった。 さくら夙川駅で合流し、二階の座敷で向き合った。 焼鳥である。 生ビールから始めるのに両者異存はなかった。 注文の度、家内がバイトの青年に話しかけ、関学の大学生だと分かって、だから家内の話はい…

あのとき一瞬、緩みが生じた

土日両日とも朝から武庫川に向かい、城達也のジェットストリームを聴きながら川沿いを走った。 ナレーションを含めてすべてが上質な音楽と言え、名曲を懐かしみつつ言葉の一つ一つにも聞き惚れた。 この週末はカラダのケアを最優先にした。 だから、走り終え…

親の初心に立ち返った

お腹が空いた、蕎麦を食べよう。 助手席に乗り込むなり家内がそう言ったから、わたしはクルマを西宮北口から芦屋に向けた。 所要時間にして10分ほど。 雨で客の出足が鈍いのか店の駐車場が空いていた。 店に入ると先客は上品美形な母娘一組だけだった。 土曜…

途方もなく愛される存在

武庫川を走っていると、お年寄りが一人でサッカーボールを蹴っていた。 腰も曲がっているのに、珍しい。 そう思って目を凝らすと、老人の向こうにそこらを駆け回るお孫さんの姿があって納得した。 一緒に遊んでいるのだった。 走りつつ思いは過去へと向いた…

後は託すバトンについて考えるだけ

忙しさの度は増すが、至極穏やかに時間が流れてゆく。 体調がいいからだろう。 短時間に集中して仕事をこなし、頃合いを見計らって切り上げ、明日に備える。 帰途につき、昔の過ごし方と比較し隔世の感を覚える。 かつて飲み歩いていた頃、年配者に言われた…

大人になればハードルは低く呼吸は楽に

遠い記憶になりつつあるが、昨年は二男、三年前は長男が東京に赴いた。 ちょうどいま時分の話である。 慶應を手始めに早稲田を経て東大に挑んだ。 出だしから生易しい相手ではなく、どこも難敵であったが、そのタフでハードな戦いを順調に駆け抜けて、本人ら…

あり得たはずの大切な思い出

まもなく午後8時。 玄関を出ると隣家からの差し入れが門扉の脇に置いてあった。 その紙袋を後部座席に積みクルマで家を出た。 夜にハンドルを握ると暗がりに滲み出していくみたいに意識が拡張する。 静かな夜、人通りもない道を走って、運転している者の意…

言うは易く行うは難し

帰宅するとラップのサウンドがリビングに鳴り響いていた。 スーパーボウルのハーフタイムショーを楽しみながら、家内が料理づくりに勤しんでいるのだった。 この日家内は西宮パルまでクルマを走らせ新鮮な食材をたっぷり仕入れた。 早速、仕込んで息子たちの…

何気ない言葉の方こそ突き刺さる

板書する手を止め、物理の先生が振り返って言った。 「理系で金持ちになれるんは医者だけやで」 何気ない言葉の方こそ生徒の胸に強く刺さる。 肝心な物理の話はすべて海の藻屑と消え去った。 が、物理の先生がふと告げ知らせた世界の真実は、意味深な預言の…

あいつら、熱いくらいだった

前日同様、西宮北口で家内をピックアップした。 この日は、クルマを芦屋水春に向けた。 時刻は午後6時。 ちょうどお腹が空く頃合い。 さすが家内。 弁当を買っておいてくれた。 道中、信号待ちの度、口に運んで小腹が埋まった。 ラージヒルのジャンプを眺め…

地元で過ごした三連休初日

びっしり詰まっていた三連休の予定が空白になった。 せっかくだから家内はヨガの後で勉強するというし、さてわたしは何をしたものか。 明け方、東の窓から陽が差し込んで目をやると晴天。 窓という窓を開け放ち、清々しい朝の空気を部屋にたっぷり取り込んで…

谷六ではなく天六に向かった

普段は南森町から谷町線を南へ下って事務所に向かう。 が、この日は北に向かった。 天神橋筋六丁目駅で降り、真っ直ぐ福効医院を目指した。 時計を見ると午前11時。 エレベータで三階にあがって受付に入ると、ちょうど天六のいんちょが次の患者さんを迎える…

過ごし方がシンプルな形に収束していく

いくらでもやることがある。 樹の幹を蔦が這うように、毎日毎日、課題をこなしていく。 「やること」が芯であり、これがないと蔦は行き場を失う。 そんなイメージを思い描きつつ、事務所の自室にて業務をこなす。 「蔦」と化して幹を這い、夕刻、人に戻って…

直前になって急遽予定変更

週末は三連休。 家内と上京しひさびさ息子たちに会う予定になっていた。 だから、寿司屋や焼肉屋の他、四人で宿泊できる部屋も予約してあった。 おいしいものをたくさん食べて夜景を横目にホテルの部屋で飲み明かし、家族四人で仲良く過ごす。 そんな夢のよ…

夕陽丘に端を発する暖流の恵み

新大阪駅で電車を降りた。 階段を上がって在来線のコンコースに出ると正面に「かむくら」があった。 渡りに船とはまさにこのこと。 そう思いつつ、吸い寄せられるままそこで昼食をとることにした。 チャーシュー麺を食べていると家内からメッセージが入った…

商店街にも息子らの歴史が詰まっている

地元の街を歩くと至る所で昔の記憶がよみがえる。 商店街に散髪屋がある。 店の前に「子ども調髪900円」との掲示があって、懐かしい。 その昔、息子たちはここで髪を刈ってもらっていた。 息子たちは様変わりしたが、店構えは当時と何ら変わらない。 子ども…

最も身近な飲み仲間

土曜の朝、家内を西宮北口の駅まで送ってから武庫川に出た。 日本海側に大雪警報が発令され、ここら界隈もかなりの冷え込みとなったから手袋と帽子を着用して走った。 二夜連続でマッサージを受けていたからカラダが軽い。 走って心地よく快調の度は増し、そ…

この余白は好き勝手に使える計算用紙みたいなもの

日記と日常は異なる。 たとえば疲労について日記で詳述することはあっても、日常、疲労について吐露するようなことはない。 家内に言えば心配させるだけだし、事務所で発すれば職場に不安の影を招き入れるだけとなる。 まして客先でそんなことを口にすれば業…

何事もなくこのままであることを祈る

引き続き疲労を背負ったまま外を回った。 視界にかすみがかかったように感じられ、ものを考える気になれず気持ちも沈んだ。 嵩じて慢性化すれば鬱といった話になるのだろうと思われた。 途中、近くを通りかかったので実家に顔を出した。 母がおらず、やはり…

楽しい夢想が沈滞を打破する

疲労感があっても動いているうちに普段は紛れる。 が、この日は違った。 月曜、火曜と旺盛に業務をこなし、たった二日間、根を詰めただけで反動が生じたのであるから、体調管理に問題があったと言うしかない。 日曜の過ごし方を振り返り、わたしは猛省せざる…

ウソが手軽になる時代

午後三時、家内が差し入れを持って事務所にやってきた。 お茶を入れてひとときの団欒。 皆を笑わせて楽しい。 夕刻、一緒に帰宅した。 寒さがぶり返し、風が冷たさを増していた。 が、仕事後である。 気持ちはほのぼのと温かく、まもなく夕飯。 寒さなどなに…

何の変哲もない夕飯時の一場面

帰宅するとEXOのリズムに乗って家内がノリノリで夕飯の支度をしていた。 「これでも見て待ってて」 わたしをテーブルに座らせ、家内がタブレットを置いた。 EXOが踊って歌う画面をわたしは眺め、家内の二万語に耳を傾けた。 この日、街で自転車を駆るチビッ…