KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

簡単に見えて重く得難い

1日曜午後、事務所界隈を軽く走る。ポカポカ陽気である。耳にするのはニッポン放送の「ズームそこまで言うか」。数あるポッドキャストの番組のなかいつも決まってそれを最初に聞く。上岡龍太郎さんが引退した後、いまこの国で、聞かせる喋りにおいて辛坊治…

雨降る週末は家で過ごすのがいい

学校帰りの二男と合流し家内のもとへ向かう。夕闇の街路に無数のクルマが駐停車している。車列のなか二男が一目で我が家のクルマを見つけ出した。塾生活は伊達に長いものではなかった。迎えのクルマを探すことにかけて二男は名人の域に達していると言えるだ…

致命的な脆弱をあらかじめ嗅ぎ分ける

1まだ明るい夕刻、上方温泉一休に立ち寄った。冷え冷えの外気が露天風呂入口を通じて内風呂に入り込み、視界塞ぐほどに湯気が立ち込める。夢幻のごとくの非日常感がなかなか乙だ。湯につかって愉悦まじりの吐息を漏らす。今週も目一杯働き無事課題をやり終…

見当もつかない全くの闇

大阪梅田で起こった交通事故のニュースがラジオのニュースで流れる。死者が出たようだ。十年近く昔の一場面をふと思い出しつつ、阪神高速湾岸線を走る。海面が巨大な鏡のようになって太陽の光を跳ね返している。そのときも運転中だった。ある事業所の先代か…

五感は心の窓のようなもの

走り終えて風呂を上がる。遅めの夕飯の時間、二男が言う。「パーフェクト・センス」が面白かった。イギリス映画である。食後、ひとりリビングでDVDをセットする。このところは走った後で炭酸水をがぶ飲みするのでビールを受け付けなくなった。神の河か角瓶。…

内助の功についてハタと気づく

1クルマを運転していると脳の周波が変わる。日頃は入り込まない領域に意識が転がり込み、普段全く気づかないことにハタと思い当たるということが起こる。今朝ハンドルを握り、内助の功の恩恵に浴する我が身の姿がありありと浮かんだ。無意識のうちそれを当…

にこやか走り抜ける熱源

1晴れ渡る休日の午後ゆっくりペースで走る。陽射しがあって暖かい。電話もかかってこないし用事もない。気がかりなことが一切ない。ほとんど無の境地。呼吸と鼓動が単調に繰り返される反復の繭のなか思う存分わたしは解放される。走れど走れど疲れない。ど…

月曜朝の乗り切り方

1月曜朝の乗り切り方にはコツがある。今朝もいつもどおり4時に目覚める。昨日張り切って2時間も走ったせいか疲労感が残っている。今日を皮切りに平日が続く。ヒタヒタと迫り来る現実から目を逸らしたい。しかし時間は容赦なく過ぎていく。もう朝なのだ、…

浮沈の鍵を握る思わぬ伏兵

先日のこと。遊技業を営む事業主と会った。栄華誇った時代は遠い昔のこと、いま遊技業は斜陽にある。根比べするみたいに土俵際粘りつつも、かつて華美を競い合った経営者らが一抜け二抜けしていく。残った者らは引くに引けず奇跡のような事態の好転に一縷の…

記念すべき、星の瞬く一夜となった。

1今回はEMS便で発送した。家内に教えられたとおり差は歴然であった。航空便で送った際には送達まで丸一週間かかり送料は七千円を超えた。EMS便だとたったの三日、同じ量と嵩の荷物なのに送料は五千円ほど。しかも更に加えてこちらの方は上限二万円までの保…

その発想が団欒の時間を大いに盛り上げた

街の南側を走る沿線の駅で降り、家を目指し北へ向かってひたすら歩く。地元の駅が見えてくる。そばにスタバがある。通りかかってふとなかを見ると二男がいた。何か一心に取り組んでいるようである。邪魔せぬようその姿をそっと目に収めてそこを過ぎる。家に…

豊かさは静謐と結びつく

1貧困子育て世帯がこの20年で倍増。そのような見出しが目に入って毎日新聞を手に取った。都道府県別のデータを見ると大阪は沖縄に続いて貧困率が全国第2位。子育て世帯のうち20%以上が最低生活費にも事欠くレベルの収入で暮らしている。貧困が大阪に根を張…

夕刻の過ごし方が変わる

1仕事を終え帰宅する。玄関に防寒具とウェアが用意されている。これで3日連続、走ることになる。やはりどうやら今後の生活は一変することになるようだ。これまでなら仕事後は一杯飲んで帰るかサウナに入るかのどちらかであった。それがひょんなことから「…

ここだけの話2

本業において役割分担が変わり、いよいよ自らアクセル踏まずとも済むような立場になったとき、特に熱望して取り組みたいことが他にある訳でもないので、おそらくは日記に割く時間が増えるのだろうと思う。現場一線を離れ自らを振り返る際、現在続けている日…

一人ご満悦となって過ごす週末終盤

1事務所を起点にし夕刻間近の街を連れ立ってジョギングする。先日、長男の学校で高校課程の指導方針について説明会があった。その内容について話が尽きない。ふむふむとその報告を聞きつつ頷き、西日を背に大阪市内を中心部に向け走る。これまでと同様、前…

長雨が朝まで残る

朝、事務所へとクルマを走らせる。温暖前線通過に伴う長雨が朝まで残り、二月であることを忘れてしまうくらい空気が生暖かい。乗り慣れないクルマなので勝手が分からず助手席に乗る二男に操作を任せる。チャンネル変えられずしばらく流れるままの時事放談に…

火を噴く暴君の正体

1南森町の階段を上がって地上に出た時、目の前を勤め人が行き過ぎた。その足元に目が留まる。丈が短く靴下の露出が大きい。働き始めた当時のことを思い出し顔が歪む。ある先輩が着るスーツはどれもこれも裾が短かった。それが変だとわたしは様々な輪にまざ…

未来を先食いする者たち

日脚が伸び夕刻間近となってもまだまだ明るい。春を思わせる光量の日差しを真正面に受けながら西へと向かう。女性は一日二万語発話する。わたしは徹頭徹尾の聞き役。イヤホンで何かの放送を聴くみたいなものである。芦屋あたりに差し掛かったのがちょうど日…

なんちゃってセレブの世界

1仕事を終えて難波駅で乗り換える。構内の本屋で桐野夏生さんの「ハピネス」を見かける。かねてより話題になっていた。文庫化を機に手に取った。仕事の難所を乗り越えたところであったので、くつろいだ気分であった。立ち呑み屋の豊祝の前を通りかかって引…

今日はこれくらいにしといたろとか思った時、日付は変わっていた

1北新地駅に到着したとき流れる曲が「ハチのムサシは死んだのさ」に変わった。耳にしていたのはマーキーミュージックモード。突拍子もなく懐かしい曲がかかって血沸き肉踊る。だから結局いちばん聞き馴染む番組となっている。子らにも聴かせなければならな…

あっと言う間の六分かもしれないが

耐寒登山の日、バスが遅れた。出発予定から一時間が過ぎようやくバスが現れた。あらかじめ知らされていたバス会社とは異なるバスであった。何かあったのだろうが詳細は分からない。明け方は冷え込んだが日中は陽気に恵まれた。二時間かけて登った。しかし、…

日曜夜、子と交わす新聞談義

1オデッセイは面白かった。今年観た映画のなかでベストだった。食卓に腰をおろすわたしに向かって二男が言う。たけふくでかつ丼を食べてガーデンズで映画を見る。もちろんポップコーンを携えて。彼にとって最良の過ごし方。日曜の時間の使い方について彼な…

調和に不可欠な要素

待ち合わせし寿司屋へ向かう。カウンターに並んで座っての夕飯。ふぐの小鍋をつつきつつ、わたしは刺し身を酒のあてとして静か飲み、子は思いつくまま握りを頼んでひたすらぱくつく。連れ合いはおすすめどころの小品を味わいつつ何やら終始喋っている。自習…

UFOらの太平洋横断

長男からメールが届く。放課後に街で映画を観たという。その末尾に荷物が無事届いたとの追記があった。中身も全て揃っているということであった。発送から長男の手に渡るまで丸一週間を要したことになる。追跡画面を時折確認してはいたが、数日に渡って通関…

脱疲労の愉悦

疲労がピークに達していた。肩が凝って明らかに血の巡りが悪くなっている。のぼせたようなぼんやり感が拭えない。凝った箇所が気になってしょうがなく落ち着いて座ってもいられない。今回もまた疲労対策の初動を誤った。微か感じ取った際にすぐに手を打つべ…

皆が画面に釘付けになった

場所は谷町。役所の待合でテレビを眺める。元スポーツ選手の逮捕について続報が伝えられる。たむろするおじさんらの視線が一斉に画面に注がれる。大阪市井の街角、この件は注目の的だ。私自身はこのところ全くテレビを見ない。何度も繰り返し流されたのであ…

静かな余生より大騒ぎ仕事する

JR尼崎駅が広く綺麗になった。同じく広く大きくなった同駅構内の本屋に立ち寄る。木暮太一さんの新作「したたかにつかみとる覚悟の話」が平積みされていたので購入する。小一時間ほど時間調整が必要であった。キューズモールへと向かう。阪神百貨店の二階売…

声に接してこそ分かること

依然として風は冷たく日が落ちれば尚更寒さ増すがしかしどこか空気のなか春の気配が漂い始める二月初日、県の南側を東西に走る沿線の駅で降り半時間ほどかけ北上し家へと向かう。私が家についてまもなく二男が帰宅した。揃って食卓につく。同居するドイツ人…

結末に絶句する

帰宅する。二男はひとり映画を観に出かけたという。運動不足を指摘され連れられるようにして歩く。芦屋まで片道一時間強。行って戻る。ちょうど二男の帰宅時間と重なる。そのまま一緒に食卓を囲む。昼にわたしが見た映画について話す。「ルルドの泉」。舞台…