KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2020-01-01から1年間の記事一覧

誰かに話して心のバランスを取り戻す

土曜の夜は久々の飲み会だった。 まさに三密回避。 座敷テーブル一つに一人が座って、間隔は十分。 皆が広間に散って陣取る様は各自守備位置についた野球チームのようであった。 それでも皆声がでかいから、会話は盛んで交流は濃密なものとなった。 皆と別れ…

凄い寿司屋がある

おいしい寿司が食べたい。 結婚当初、家内が口癖のように言っていた。 が、いかんせん当時は貧乏。 いつの日か。 そう心に念じ、いったいどれだけの月日を過ごしたことだろう。 あれは2016年の春。 吹田の邸宅で新築パーティーが行われた。 わたしは家内と参…

この夜は漫画を読んで恐怖した

明石からの帰途、頭に冷麺が浮かんだ。 そうなると、足がひとりでに動く。 長田で途中下車し、まっすぐ平壌冷麺に向かうことになった。 昼どきをとっくに過ぎた午後3時。 店は満員。 外でしばらく待たねばならなかったが、冷麺を食すのであれば待ち遠しいく…

寒さも一興

豊津駅で降りたのは生まれて始めてのことだった。 同じ大阪であっても知らぬ地を歩くと新鮮な気持ちになる。 きょろきょろとあたりを見回し歩きながら、J-WAVEを聴く。 交通情報に続いて天気概況が伝えられた。 日中は曇り空に覆われ、夜になると冷え込む。 …

長続きする幸福の第一歩

朝、家内が新しい服を出してくれた。 予期せぬ新品の服に、わたしの心は華やいだ。 出かけるときも気分がいい。 が、不思議なことに普段は服など欲しいと思うことがないのに新しい服が引き金となって、もっといい服がたくさん欲しいという物欲が湧いて出た。…

いい人だったという可能性も捨て切れない

保護者懇談が行われている教室にかなり遅れて入ってきた男性がいた。 その男が曲者だった。 座るや否やくしゃくしゃと音を立てて乱暴に資料をめくり、話者の話を遮って不規則発言を繰り返しはじめた。 「ちょっとなに? 早稲田の政経って共通テストの受験が…

かいつまんでする日曜の記録

朝の冷気が気持ちよく、窓を全開にしてクルマを走らせた。 近所のスタンドでガソリンを満タンにし、家に引き返した。 わたしは遠出するつもりであったが、塾の懇談があるとのことで連れられた。 空晴れ渡る秋の好天。 行楽に出かける人の流れに混ざって電車…

スター誕生秘話

仕事があっても土曜は休み気分とともに過ごせるから、顧客訪問もどこか行楽のように楽しめる。 午後4時には業務を終えて事務所近くのジムでひととき運動に励んだ。 先日、5年ぶりに会った方が脳梗塞で車椅子生活を余儀なくされていた。 まだ老け込む歳では…

母業に満点はない、と女房は言った

この日の最終地点は高槻。 家内にクルマで送ってもらい、業務終了まで待ってもらった。 どこかで夕飯でもとクルマを走らせるが適当なところがなく、家内が魚を食べたいと言ったので「魚楽唐唐」を予約することにした。 まっすぐ帰宅して着替え、夕刻、家を出…

目に入る景色のチャンネルを変える

ジムを終え帰宅すると家内がオンライン英会話のレッスンを受けていた。 この日の講師はインドの若い女子。 インド映画やヨガの話で盛り上がり、インドを旅した際はガイドをよろしくと話が決まり会話は楽しく賑やかに膨らんでいった。 そんな会話を耳にしなが…

愛とか優しさについて考えた

ぶらり立ち寄った本屋の新刊コーナーにエーリッヒ・フロムの『愛するということ』が陳列されてあったので、そんな古典がなぜと意識の端に引っかかっていた。 翌朝の読売新聞を見て合点がいった。 このほど改訳され新装版が刊行されたとのことだった。 紹介記…

業務を終えてただ書いただけの日記

夕刻、JR志紀駅で降りて客先を目指した。 まだ日が高く直射を受けると暑いので日陰を選んで歩を運んだ。 随所で金木犀の香りに行き当たりそのたび陶然となりながら、民家が軒を連ねる路地を抜けると空港に至り、この周辺は製造業や建設業などの中小企業が群…

まるで火の玉

午後8時と言えば以前ならまっすぐ歩けないほど人で混み合い賑わっていたミナミであるが、その姿は見る影もなかった。 早めに着いたので、寂れかかる界隈をぶらり歩いて時間を潰してほどよい時刻、末廣鮓のカウンターで、かねしろ院長の到着を待った。 いま…

たいへんだったけれど心満たされた日曜日

事故渋滞が原因で車列の流れは遅々を極めた。 西宮山口付近でスポーツカーが大破しているとの情報が入ってくる。 日曜朝から豪快に飛ばしたに違いない。 西へと遠出する全車両が足止めを食ったようなものであるから、その豪快のトバッチリはあまりに大きかっ…

秋の味覚を求めてドライブ

そこかしこ金木犀の香が甘く清涼に漂う秋の好日。 食材の買い出しに出かけるとすれば丹波篠山をおいて他にない。 黒枝豆に丹羽栗など秋の味覚をかき集め、一週間で内に積もった事務作業の澱を一掃する。 そして肉はマルセで三田牛。 帰りのクルマは美味な食…

ひとりになれる場所

たまには一人で過ごしたい。 そんなとき行き先はひとつ。 正宗屋。 京都での業務を終えたのが夕刻。 事務所に戻ったときにはいい時間になった。 帰途、立花駅で途中下車し正宗屋の引き戸を開けた。 すでに大勢のおじさんらができあがっていた。 明日は雨だと…

日記が実は有用なデトックス

いつかゆっくり日記を書こう。 そう思うだけで、ゆっくりできる時間が生じた試しはなく、おそらくこの先もないのだろう。 不意に生まれた空き時間だけが日記に充てる時間となり、だから日記を趣味にしていると時間を持て余すことがない。 昨日、「お客様と電…

箴言はシンプルな方がいい

この日、業務の最終地点が天王寺。 時刻は午後7時半。 環状線に乗ってまっすぐ家に向かった。 半時間ほどで家に到着。 家内が夕飯の支度を整えてくれていた。 まずはホタテのバター焼き。 缶ビールを1本開けて、少しずつ飲みながらホタテを味わい汁まで飲…

冷えた肝が凍りつく

火曜日夕刻、疲労を感じたのでマッサージを受けてから帰途についた。 このところ息子が夜食で肉ばかり食べる。 焼鳥でも買って帰ることにし、鳥芳に立ち寄った。 いつ来ても人で賑わい繁盛している。 炭焼きの風味がよく、ここの焼鳥は絶品。 息子の喜ぶ顔が…

近い方でええんちゃう

夕刻、野田阪神の鳥清で息子の夜食を買い、家内の運転で帰途についた。 せっかくだから買物しようとなって、高速を降りパルヤマト西宮店に向かった。 肉も魚も新鮮でかつ安いから、食べ盛りの息子がいるうちにとって格好の店と言えた。 わたしがカートを押し…

ひさびさ夫婦で映画鑑賞

朝、出かける息子の後ろ姿を夫婦して見送った。 ジーンズがとてもよく似合っている。 わたしが先日選んだものであるから、我が事のように嬉しい。 わたしたちもすぐに出発しジムに向かった。 人もまばらなジムでそれぞれ筋トレしマシンで速歩した。 トレッド…

時刻は朝6時を回ったところ

待ちに待ったというわけでもないが日曜は嬉しい。 予定は未定で課される義務が何もない。 週一日だけの仮出所みたいなものと言えるだろうか。 さて、今日一日、シャバで何をして過ごすか。 家内を映画にでも誘おうと思うが、家内は家内で何か提案してくるだ…

努力に勝る遊びなし

急に肌寒くなって、冬仕様の服が要ることに気づいた。 家内に連絡すると、呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん。 半時間後には事務所近くにクルマが横付けされた。 助手席に座るや否や運ばれて、あっという間に到着。 台風が接近中で雨脚強く、三田プレミ…

言葉遣いが愛情さえも左右する

愛情の度も言葉によって様変わりする。 例えば、孫という語につく内と外。 単に可愛いはずの孫なのに、つく字によってそのニュアンスに変化が生じる。 内孫となれば親近感が湧いてますます可愛く、外孫となるとなんだか遠い存在、あってもなくても大差ないと…

ブサイク面もまたかわいい

二人いる娘さんが二人ともいいところに嫁に行った。 その「いいところ」というのがハンパなレベルではなく由緒あって富裕な家柄、加えてそれぞれの夫が揃いも揃って高学歴高身長で高収入かつ男前。 しかも熱烈惚れられてのゴールインというからまるで夢物語…

旅せずとも旅気分

この日の業務最終地点が豊中。 家内にクルマで送ってもらった。 打ち合わせを終え、家内が待つヒロコーヒーに向かった。 午後のテラスで秋の風とコーヒーの香を味わっていると息子から写メが届いた。 いま練習場で初ゴルフに勤しんでいるという。 家内は元体…

先食いするより先払い

帰り道、魚屋を覗くといい牡蠣があったので持ち帰ることにした。 帰宅し、夕飯の支度をする家内におみやげの牡蠣を渡し、わたしは白ワインを開けた。 いつものとおり夫婦ふたりでの夕飯。 甘くてコクがあって牡蠣が実に美味しい。 このところずっと美味しい…

食材の買い出しが夫婦共通の趣味

二男を送り出し向かうは草津。 まずは道の駅から。 朝はいい食材に多く出合うことができる。 たっぷり野菜を買い、草津産のコシヒカリとみずかがみ、いずれも新米を5kgずつ買い求めた。 昼は近江スエヒロ本店にて近江牛のしゃぶしゃぶ御膳。 夫婦揃って同じ…

今がよければすべてよし

下宿先を出て商店街を歩いた。 銭湯があったので迷うことなくひと風呂浴びることにした。 上京一日目、住む町が好きになり湯船で思った。 同じ轍を踏まぬよう今回はしっかり勉強しよう。 そう固く決意したところで目が覚めた。 夢の中では初々しい学生だった…

それでもたったの百五十年

上六の近鉄百貨店で寿司折を3つ買い求め実家に寄った。 母が手料理をこしらえ、父はてっちりを注文していた。 たった3人で食べるにしては、かなりの分量の夕飯になった。 父母のグラスにビールを注いで乾杯。 話は百年スパンで行き来した。 過去については…