前夜、夕飯を控えめに済ませていた。 だから、この日はホテルラウンジでの朝食を楽しめた。 その後でさあサ活と意気込んだが、折悪しく男女ともサウナが故障していた。 それでやむなく夫婦揃ってフィットネスでたっぷり汗をかいた。 運動後、タクシーを呼ん…
いつしか寝入って、気づけば朝になっていた。 前夜ラーメンを食べたから、とてもではないが朝食は入らない。 まずは揃って最上階のサウナに向かってコンディションを整えた。 風呂上がりにはアイスだろう。 札幌へと出て、雪印パーラーが朝食の場所になった…
この三連休は北に針路をとった。 タクシーで伊丹空港、そして約一時間半の空路を経て札幌の地に到着した。 短時間かつスムーズな移動だったから遠くまで来たとの実感は湧かなかったが、降り立った地は別世界だった。 さらさらとした雪が舞って、あたり一面、…
いろいろなことがある。 昔は無思慮にそのままを家内に伝えた。 が、内容によっては、いい気がしないかもしれない。 だからそんな話はわたしの中で検閲されることになる。 知ったところで何か得になるような話ではなく、知らぬところで不利益を被ることもな…
今週は傘の手放せない日が続いた。 しかしそれで困ることは何もない。 ジムは空いていて快適であるし、飛散しはじめた花粉の勢いを雨が押し留め、漏れ聞こえてくる雨音が小気味よくすんなり快眠へと導かれるから、言う事無しである。 前夜女房と飲んだから、…
仕事を終えジムへと向かうつもりだったが、予定を変えた。 午後の面談業務で神経が摩耗して、精神的なエネルギーが枯渇していた。 こんなとき運動しようといった気持ちは生じない。 事務所に戻ると、手伝いに来ていた家内がそろそろ引き上げようとする頃合い…
夜に持ち越した仕事があったので、ジムはプールだけで切り上げた。 一日の疲労が泳いで消え去って、頭は冴えわたった。 だから帰途、がなり立てるような電話がかかってきても、まあ平静に対応できた。 相手の胸中を察すれば理解できなくもない。 不安が渦巻…
息子たちの身の回りの品を買い求め、春と紛うような陽気の土曜、家内は箕面の問屋街を訪れた。 そこで感じのいい春物のコートを見つけ、家内はそれがわたしに似合うと確信した。 それで日曜の朝、わたしは助手席に乗せられたのだった。 朝一番に出かけたから…
先日、家内に連れられ美術館を訪れた。 予約は午後3時半だったが、当日の都合で時間を前倒しにする必要があった。 まず最初、ウェブサイトを通じてわたしが時間の変更を試みた。 が、「いかなる理由があっても購入済みのチケットの変更は不可」との表示にた…
一週間が慌ただしく過ぎ、気づけば金曜になっていた。 午前中に業務の山場が来て、あとはルーティンをこなして無事、終業の時間を迎えた。 仕事は山積しているが、オフがあるからオンが生まれる。 さあ、遊ぼう。 わたしは皆より先に事務所を後にした。 前日…
ひさびさに実家を訪れた。 言葉少なに父と言葉を交わしながら、しんと静まる実家の台所に目をやった。 料理を作って動き回る元気な頃の母の様子が目に浮かんだ。 しかしその像はわたしの内にあるだけで、台所は空虚に静まり返りそこだけ時間まで止まったまま…
もし息子たちが大学生になっても家に居着いていたら家内はたいへんだっただろう。 手抜きのできる性分ではないから食事から身の回りの世話まで全力を傾けたに違いなく、知らず知らず疲弊し、いくらやりがいがあったとしても幸せからは程遠い心境に置かれたの…
滞在も4日目を迎え、この日が最終日だと思うと一抹の寂しさを覚えた。 トレッドミルで走るのも4日連続となった。 走りながら思った。 ああ、寂しい。 身支度を整え、ちょうど正午にホテルをチェックアウトした。 前日、長男と原宿のナイキを訪れたが、わた…
コーナーツインの部屋だと空が大きく見える。 この日も快晴に恵まれ、朝の青空に誘い出されるようにして家内と周辺の散策に出かけた。 が、空が澄む分、冷え込んだ。 わたしたちは目についたカフェで豆乳ラテのホットを飲み、好天の日曜午前を結局のところ屋…
日課である運動は欠かさず、朝、トレッドミルで走りはしたが二度寝して昼まで女房と部屋で過ごした。 ホテルから東京駅へと少し進めば食事処が目白押しで昼食の場所は選り取り見取りだった。 休み気分を満喫しわたしたちは昼から居酒屋に陣取った。 料理が凝…
コンサートが終わる頃合いを見計らって、ホテルの部屋を出た。 大手町から東西線を使って九段下で降り、水道橋方面へと歩いた。 まったく未知の夜道を歩いて、その新鮮さに喜びを覚えた。 二男に手渡す料理などを手に提げ、その手応えと併せ、生きていること…
上京する際、あれもこれもと家内は料理をこしらえる。 息子たちが喜ぶと思えば、労を全く厭わない。 それはそれでいいのだが、送ればいいのに持参するから荷物の嵩が増して重くなる。 もちろん運ぶのはわたしである。 だから、ちょいと愚痴のひとつでも口か…
小学生の頃、遠足が楽しみだった。 その日が近づくと気持ちが浮き立った。 教室を出て、駅へと進む。 男子で縦に連なり、隣の列では女子が連なった。 どこへ行くかなどどうでもよかった。 わいわいと過ごし、弁当を食べ、帰ってくる行程まで含めて楽しかった…
早朝から起き出し、家内が息子たちのための料理づくりに取り掛かった。 広々としたリビングに流す音楽はこのほど来日したテイラー・スウィフトの東京ドーム・セットリストで、乗って聴くうち勢い余って家内が踊り始めた。 だからわたしはその様子を動画に収…
いい話はいつだって向こうからやってくる。 今年も出し抜けにいい話が舞い込んだ。 「いつかそんな風になればいいのに」 わたしはただそう漠然と思っていただけのことであった。 昨年時点で誘いがあったのに、だからわたしはチャンスの到来に気づかず、単な…
寝心地は最上だった。 だから、いつもよりぐっすり寝入って気づいたとき、時刻は朝8時を過ぎていた。 コーヒーを2人分作り、それをゆっくり味わってから最上階のプールへと向かった。 ひと組の父娘が泳いでいるだけでプールはがらんとしていた。 娘の方は…
朝10時過ぎにチェックインし部屋の内容を確認してから、雨模様のもと傘を借り中洲方面へと向かった。 肌寒い博多の街路をぶらり歩いて10分ほどで到着し、店の前で記念撮影する若いカップルがいたので家内が声を掛けた。 釜山から来たというから、釜山談義で…
朝7時に駅のロータリーでタクシーをつかまえ家に引き返した。 家の玄関先で植木に水をやる家内をピックアップして、30分もせぬうち伊丹空港に到着した。 様々な行き先を告げる出発ゲートを左右に見て進み、今更ながらに気がついた。 ここから日本各地へはひ…
このところ仕事に押され、ジムへと通う回数が減っていた。 ようやく金曜の夕刻、時間が空いた。 カラダは「飲み」より「ジム」を求めた。 少しずつ日が長くなっている。 季節の移ろいを窓の向こうに感じながら、たっぷり泳いだ。 40分を越えたところで疲労感…
遅めの帰宅となった。 家内は牡蠣をあてにすでに一杯やりはじめていて上機嫌だった。 子どもたちの写真を見て思い出にふける家内の隣に腰掛けてわたしも夕飯の場に合流した。 家内の二万語が始まった。 この日、芦屋大丸で収穫があったという。 夕刻、魚介類…
このところ毎朝、家内と食卓で向かい合って食事する。 ご飯と味噌汁に加え、焼いたたまごと鮭が付くくらいの質素なメニューであるが、朝から快調な家内の二万語が添えられて賑やかで楽しい。 こんな素朴な朝があるからいつだって一日の出だしは幸先のいいも…
重しが取り払われたと分かった途端、足元がふわふわとし始めた。 それで足取りも軽く、わたしは寄り道して帰ることにした。 行き先は正宗屋で、そこで生きた心地にひとりしんみりとひたることにしたのだった。 1月に入り、難度の高い任務を担い、それをこな…
先日、東京で家内と食事していたときのこと。 隣で向かい合う男女の会話がヘイトめいた様相を帯び始めた。 最初は関西人はどうのこうの、京都人は大阪人はといった他愛のないレベルの話であった。 が、次第、対象が拡大しはじめた。 中国人はああだこうだ、…
日曜の朝、朝日新聞の一面に目がとまった。 医局医師に課される長時間労働の問題が取り上げられていた。 全国医師ユニオンによる勤務医についての労働実態調査によれば、死や自殺について時々考える勤務医師が24.2%もいて、20代に限れば日常的に死や自殺を…
家内はヨガへと出かけ、わたしは長い時間をジムで過ごした。 ここ数日まったく足を運べていなかったから、ひさびさ泳いでその心地よさにひたった。 土曜の午後、人影のほとんどないプールを悠々と行ったり来たりし、あっという間に60分が経過した。 続いてマ…