2024-01-01から1年間の記事一覧
疲れたときには眠るに限る。 特に雨が降り続くような夜には尚更のこと。 たっぷり10時間。 それくらいの睡眠を取ろうと思って、この日わたしは夜8時過ぎには寝床に就いた。 心身に潜む倦怠感は一掃され、長い夢路を経て、日常では起こり得ないブレイクス…
フィットネスから戻ると、窓の向こうには青空が広がっていた。 滞在三日目にして晴天に恵まれたのだった。 さっさとホテルをチェックアウトし大手町にて自転車を借りた。 陽気が兆し始め、花の香がかぐわしい東京の街を夫婦で縦横に走った。 昼になって馬喰…
花曇りの朝、女房と共に皇居あたりを散策し、混み合うスタバでお茶するがよい席にはありつけず、ディーンアンドデルーカへと移動しそこを根城にすることにした。 いつも芦屋のロイヤルホストでするように、そこで今度の旅行について具体的な行程を組み立てて…
東京駅に着いてすぐパレスホテルへと向かった。 花冷えの日となって肌寒い。 気温を見ると9℃。 何か羽織ってくるべきだった。 ドレスコードがあるとのことでレストランの入口でジャケットを借りた。 着る必要はなく、手に持てばいいと言う。 素直に従った。…
家内が持たせてくれた焼肉を携え、朝一番で実家に寄った。 座椅子にもたれ朝の情報番組をみる父のかたわらに座って近況を話し、話題が途切れるとテレビに目をやった。 野球選手の通訳が違法賭博に手を染めていたとの話題が取り上げられていて、父は言った。 …
朝8時、約束どおりお客さんから電話がかかってきた。 業務について打ち合わせしていると、階下から声が聞こえた。 ご飯できたよ。 家内がわたしを呼んでいるのだった。 わたしは電話しながら渡り廊下に出て、階下にいる家内にいま取り込み中であることを指…
貝の蓋が固く閉じているようなものなのだろう。 普段わたしはそのように内にこもって、だから往来で誰かから声を掛けられるといったことがない。 繁華街の客引きでさえ手をこまねく。 内で思念がむんむん蒸して、そんな様子が如実に伝わるのだと思う。 そん…
ジムから戻って食卓に座る。 一日のうちでいちばん心が落ち着くときである。 家内と差し向かいになって日本酒を酌み交わし、今後の旅先の映像などを眺めて夕飯をつまんだ。 ひとつの場所を訪れると、次々と行きたい場所が増えていく。 楽しみが増える訳であ…
かなりの人気店なのだろう。 開店前から列ができ始めていた。 慌てて夫婦で並ぶが前から数えて二十番目あたりとなってしまった。 午前8時半、福井マラソンのスタートと同時、名店「はや川」が開店となった。 が、マラソンのようには前へと進まない。 遅々と…
福井駅の真隣に新しいホテルができた。 夕刻のニュースで紹介されていて、ジムのサウナを出てすぐに予約した。 特に何か観光する訳でもなく、汽車に揺られて福井を訪れただのんびりと過ごす。 是非ともそうしようと思い立ったのだった。 敦賀までのサンダー…
二十代の頃のこと。 連日飲み歩いていた。 勤め人であることが嫌でたまらなかった。 このままではこのまま。 未来が見通せず、それで憂さ晴らしが必要だったのだと思う。 しかし飲んで何かが前に進む訳はなく、朝の重苦しさが増すばかりで、「このままではこ…
電話しながらだったからだろう。 池部駅に停車している電車にそのまま乗って、思ったのとは反対方向へと運ばれた。 単線の電車に乗ることは滅多にない。 その不慣れも手伝ってのアクシデントだった。 タイトな時間を縫うように動いていたから、その時点で次…
夜は鮨こいき。 それがあるから頑張れた。 豊中を皮切りに業務を開始し伊丹を経て阿波座に移動しここでの業務が長時間に及んだ。 しかし、夜は鮨こいき。 だからへっちゃら、頑張れた。 事務所へと戻って保留にしてあった連絡業務に取り掛かり電話をかけまく…
ひさびさ家族四人の予定が合致する。 数年に一回の惑星直列のようなもの。 家内はがぜん張り切って、予約してある焼肉屋に電話を入れ、裏メニューなどとっておきの品について直談判し、肉もいいものを仕入れておいてと念を押した。 そしてまもなく二男からス…
月曜日、仕事が早々に片付いた。 帰途に就き電車に揺られて、考えた。 普段ならジムに行く。 しかし、この日に限って気分が乗らない。 何が起こっているのか。 自分の内を凝視した。 ああ、疲労。 どうやらわたしは疲れているのだった。 では、なぜ。 と振り…
雨が降り続き、どこかに出かけようといった気も起きない。 しかもまだまだ肌寒い。 まったり、といった語はすでに死語だろうか。 この日は突如浮かんだそんな懐かしい言葉とともに過ごすことにした。 新聞をめくると高校生が自死したとの記事に目がとまった…
一体何年ぶりのことだろう。 寿し おおはたの席にありつけた。 寿司はおおはただけで十分。 そう言っておおはた一筋を貫いてきた安本先生のおかげ。 ほんとうにありがたい。 サガラさんも含めこの夜は男三人、至極の鮨を味わって日本酒を楽しんだ。 睦まやか…
西宮北口にだけジムがあるわけではない。 終業の時間に合わせて、各所を活用しよう。 そう思ってこの日は帰りに北浜のジムに寄ってみた。 駅の真上にあって至便。 利用しない手はない。 が、西北に慣れているからプールが狭く窮屈に感じられた。 レーンに複…
先日のこと。 料理教室の場で「大学生がいるような歳には見えない」と口を揃えて驚かれ、まあよくあるお世辞だと受け流しつつ、出し抜けに、かなりのリアリティをもって家内は思った。 そろそろ息子たちが結婚する。 よく考えれば自分が結婚したときの親の年…
休日に出勤するなどひさびさのことだった。 ここで前へと進んでおかないと後で苦しい。 であれば休みという自由時間を仕事に充てるのが正しい。 正しいことでありかつ自営業者であるから、何ら忌避感なく無人の事務所にて業務に邁進した。 いつもより密度高…
月曜は飲まずに過ごし、この日もと思ったが、カネちゃんからの誘いがあったので雨模様の夙川からまっすぐ北新地へと向かった。 気楽に過ごせて落ち着ける。 合流した寿司屋はそんな店だった。 積もる話が山ほどあって、いったい何から話せばいいのか分からな…
週末にかけて暖かく、空気はふっくらと丸みを帯びて春の到来を告げていた。 それが一変。 雨が過ぎ去って寒気が流れ込み、月曜の朝、空気は冷たく尖って肌を突き刺した。 京都での大一番に向け張り切って前泊していた。 にもかかわらず体調が芳しくなく、前…
プールがあるから当然、日曜も朝いちばんで泳いだ。 サウナで仕上げて女房と部屋で合流しホテルを後にした。 向かうは大津で近江牛の老舗名店を予約してあった。 わたしはロースを210グラム、家内はヘレステーキを170グラム平らげた。 五十を過ぎても肉をが…
休息が必要だった。 湖でも眺めてのんびり過ごそう。 そう思って、家内を伴いクルマを走らせた。 高速を降りまずは道の駅で米や果物や野菜などを調達し、昼は道中にある肉屋に寄った。 ああ、近江牛のユッケが実においしい。 家内はそれを焼くという暴挙に出…
阿波座での朝一番の業務を終え、事務所にちょっと顔を出してから喜連瓜破へと向かった。 実り多い面談は長時間にわたり、終わって外に出ると午後の日差しが強まってもはやコートは不要で手に携え、電車の乗り換え時にそうだ空腹だと気がついて昼をかき込み、…
女房が帰ってきて朝食が見違えた。 おにぎりを携えて出先を回って、夜、最後のアポが午後7時。 大阪北端とも言える場所にてバスを降りた。 少し早めに着いたので、まったくひと気のないロータリーを前にただ黙って立って時間を過ごした。 各発着場に空席だ…
3月も半ばというのにまだ肌寒い。 コートを羽織って、神戸へと赴いた。 会議だと聞いていたから気楽に臨んだ。 が、蓋を開ければわたしが講師役で自身の業務についてプレゼンする立場だったから一瞬、戸惑った。 与えられた時間は30分。 おもしろい。 わた…
女房が留守なのでこの日も在宅にて業務に励んだ。 一区切りつきジムでひととき過ごし、夕飯はひとり。 西宮北口あたりで店を物色した。 いままで入ったことがなく、かつ、入りやすそうな店を探して、吸い寄せられたのが杉玉だった。 おすすめの品を注文し、…
今週は特に予定がない。 だから出かけてくる。 そう言って、月曜の朝、家内はひとりで旅に出た。 隣の駅からリムジンバスに乗り一時間、そして関空から二時間弱でソウルの地に降り立って、今回はカンナム周辺でショッピングを楽しむのだという。 一方のわた…
先日の土曜、大和路線に乗って奈良へと向かっていたときのこと。 天王寺から母子が乗ってきて、わたしが座る四人席の方へとやってきた。 少年がわたしの前に座り、若い母が少年の横に荷物を置いてわたしの隣に腰掛けた。 どこからどう見ても塾帰りと見えた。…