KORANIKATARU

子らに語る時々日記

2015-01-01から1年間の記事一覧

蝶を追わぬと決める

1忘年会シーズンになると思い出す。レジャー関連の会社であった。座敷大広間での忘年会。恒例のゲームがあった。髭面ダンディな役員の合図で全員が立つ。ダンディの手には万札が5枚。それが大ぶりの蝶のようにヒラヒラと舞う。太鼓持ちの掛け声でじゃんけ…

水入らずの空間が西へ西へと進んだ

1少しゆっくり目の始動。朝7時、二男を乗せて家を出る。平日の朝7時であれば渋滞の様相の2号線であるが、日曜なのでまだ閑散としている。空は明るく今日一日の好天を予感させる。何度味わっても休日の朝の静けさは格別だ。半時間ほどで事務所に到着した…

王寺駅で乗り換え鶴亀へ向かう

1「マッド・マックス怒りのデスロード」を見終えて事務所を出る。向かうは奈良葛城。今夜、鶴亀で宴会だ。車窓の向こう側、曇天の大阪市街に目をやるが、ド派手なアクションシーンが目に焼き付いて離れない。スピード感一向に衰えぬまま奇抜な世界が眼前を…

格差が不可逆となっていく「カフカの階段」

1学校前でその帰りを待つ。ここらに寄ると子らが通った塾のことを思い出す。長男を迎え二男を迎えした歳月が懐かしい。ミラー越し、信号を渡る二男の姿が見える。真向かいにある女子校の生徒とすれ違いざま何か声を掛け合っている。塾で同じクラスだった子…

その残光が極寒を跳ね返す

1夕刻にかけ更に冷え込み始めた。凍えるほどに寒く、スーツだけだと薄着同然。路上にあって心細さを覚える。凍土の地で寒さ御してきた万物の霊長に畏敬の念を覚える。わたしには無理だ。当時生まれ落ちていたら真っ先に落伍したであろう。暖を求め足を速め…

徐々に思い出の領域に属していく

1遠足気分で仕事することもあった。駆け出しの頃のことである。こなすべき分量はさしてなく、その日はそこに赴き用事をすれば済む。そのような場合には、遠くに出かけることがただただ楽しい。まさに遠足。物見遊山に興じる者のごとく電車に揺られ、あるい…

子らが巣立つまでは秘し隠す内緒の話

1休日の朝だけ洗い物をする。そう心がけている。現在、二週に渡って継続中だ。食洗機は使わず皿やらコップやらを手洗いしていたときのこと。家内は食卓に座ってパソコンを触っている。キッチンカウンター越し、その姿は目の前だ。と、家内が私にパソコンを…

雨降る前に奈良を歩く

1子らは勉強、親は奈良。我ら下々、勉強を欠いては身が立たない。子らはまもなく迫る試験に備えて勉強し、親は若かりし頃の試験勉強について思い出しつつ夫婦で出かける。京都へ向かう新快速が人はみ出すほどに混み合うのとは好対照。奈良行の新快速は空っ…

京都高雄で森閑を静か味わう

1大阪駅で阪急に乗り換えた。京都へと向かう電車は梅田が始発だ。夫婦横並びで座席に腰掛ける。十三で神戸方面からの乗客が合流する。日曜朝8時過ぎ。平日よりも混み合う阪急電車となった。大半が桂で乗り換える。目的地は嵐山。秋、紅葉の頃、嵐山は人で…

時が過ぎ夜が深まっていく

駅の階段を降りる。時刻は午後6時過ぎ。向かい側の階段をこちら向きに降りてくる二男の姿がみえる。どうやら同じ電車に乗っていたようだ。二男は私に気付かない。あとをつけるようにして歩く。制服を着ていると凛々しく見える。改札を抜け更に真後ろに迫る…

クルマを停め電話を4件折り返す

1大阪星光OB某期のちょっといい話。カラダに違和を覚えた。不吉な予感が走る。自身も医師である。只事ではない。そうとしか思えない。海外赴任中だ。異郷にあって信頼おける専門家に心当たりがない。日本にいる旧友のことが頭に浮かぶ。人づてにメールアド…

母こそが縁の下の力持ち

1朝4時過ぎ、炊事の始まった物音で目が覚める。朝練のため二男が早く出る。家内が二男より先に起き出し朝食の支度をし弁当を作る。高校生の先輩が優しかったという理由で入った部活であったが、その姿を模範とし二男は部活三昧の日々を送っている。朝に夕…

田中内科クリニックにて疲労から生還

疲労については芽の段階で摘むのが正しい。頭に靄がかかって動きがワンテンポ遅れる程度の空ぶかしのような状態、まだ疲労が心地いいと思える時点で手を打つのが得策だ。放置すると心身隈なく疲労の蔓でぐるぐる巻きとなる。そうなればワンテンポの遅れでは…

子どもたちが見ている

1なんとも気怠い。運転するのが面倒で豊中方面へは阪急電車宝塚線を使うことにした。雨が昼から降り続く。バックを肩に掛け傘を差す。大阪駅で乗り換える。いつもどおり人でごった返している。先日訪れた京都駅も混み合ってはいたが行き交う人の流れに秩序…

電車は社会の縮図

1人身事故の影響によりダイヤが乱れた。京都へ向かう新快速は混み合うだけでなく途中何度も停車を余儀なくされた。日曜朝の7時過ぎ、JR京都線の茨木駅附近の踏切で快速電車が人をはねたのだいう。詳細は不明だが偶発的な事故であったといったニュースはない…

千年の連れ合いと行く京都

1朝になっても雨が降り続いている。屋内で過ごす一日となりそうだ。リゾ鳴尾浜で泳いで走って温泉に入る。今日日曜のプランをそう決め、シューズや水着の用意をし始める。そのときはまだ雨があがったことに気づいていなかった。長男がそそくさ用意しラグビ…

マンボウトンネルを駆け抜ける

高さは1mを超える程度。したがって頭低くし腰かがめ這うような姿勢で走り抜けなければならない。幅もない。だから前方に人がないことを確認してから踏み出すことになる。そしてプールの向こう岸までといった距離。結構な体力を要する。家内の後ろに続いて…

時間の流れに名曲が寄り添っていた。

1江坂駅併設の駐車場にクルマを停める。ちょうど昼時、肉を食べようと思い立つ。目に入った肉バル・エビスカフェに入る。巨漢の原始人が両手で鷲掴みするみたいに分厚い肉を屠る。そのようなイメージで臨んだが、着席しランチメニューしか注文できないと知…

何の変哲もないただの日常がありがたい

1何かいいプログラムはないものか。留学先を探しあちこち問い合わせる。長男の学校では中学生活の締め括りとして三ヶ月に渡って留学するという選択ができる。多くは学校提携の斡旋業者を通じアメリカやカナダへと向かう。中には個人的に受け入れ先を探索す…

子らは何かを携えてやってきた

1地下鉄南森町駅の階段を上がって地上に出る。風が冷たく凛と締まって冬を思う。年の瀬押し迫る頃の記憶がふと浮かぶ。一年が終わろうとしている時期の天神橋筋の情景は趣きあって格別だ。言葉交わさずともお疲れさんと互いを労うような空気に商店街が包ま…

「考える」ことについて考えて少し賢くなれたような気がした一日

1先日の毎日新聞書評欄で佐藤優さんが「あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか」(津田久資著)を取り上げていた。記憶し再現する能力に長けるだけでは、国際社会で立ちゆかず日本のビジネスシーンにおいても用を成さない。しかし、日本のエリート教育は記憶と…

一呼吸おいてから山の神のもとへと帰る

晴れの日もあれば雨の日も。雨が降り続く中、帰宅する。クルマを停め家には入らずしばらくそこで過ごす。街灯が雨滴を照らし時折前を過ぎるヘッドライトによって路面が黒く光る。クルマの中は特殊な空間だ。エンジンを切りあたりが暗がりであれば尚更。しか…

ぐーたら、ゆったりの日曜日

1あいにくの雨。これでは登山は無理だ。さて日曜日、何をして過ごそうか。そう頭を巡らせながら、急ぎの用事があって早朝にクルマを走らせ事務所へ行って帰って家に着いたのは朝8:30。長男は友人宅へ出かけるところだった。機内で見た映画の続きを手始めに…

ヒヤヒヤの受験親時代

1何人かが盛んに声援を送ってくれる。私は彼らを知らない。記憶を探るが思い当たらない。面識あっただろうか。首を傾げる。カラオケ大会の会場、私は「ギンギラギンにさりげなく」を熱唱している。と、サビの部分が終わったところで突如モニターが跡形なく…

義父と飲む

昨晩、義父と飲んだ。久しぶりのことであった。半年ぶりくらいだろうかと日記の検索窓に「義父」と入れると飲みの記録が即座立ち現れる。前回は去年の10月だ。まるまる一年以上経っている。その前は7月であり1月であり一昨年の7月である。日記の日付を追い記…

明日の朝、アメリカから帰ってくる

アメリカ研修中の行動に関し随行の先生から一斉メールが毎日届く。それを開封し隅々まで読みまるで我が事のように胸を弾ませる。各自一週間ほど滞在したホストファミリー宅を後にし向かった先がゴールデンゲートブリッジでありピア39であると知るだけで旅慣…

親バカの前言語的回想

1先日のスクールフェアで学校を訪れ、穏やかな秋の陽気のもと車椅子に乗った方も結構な数あったのではないだろうか。車椅子に乗ってもらいその実際を知ってもらう。福祉施設の協力を得てそのような企画が校庭の一隅で催された。下っ端の二男は勧誘役を買っ…

単に過ぎ去るのではなく幾分かは残ることを願って

1文化の日の朝、駅で買った毎日新聞をめくる。83歳の女性の話に目が留まる。その女性は56歳になる息子に先立たれた。息子は星が好きだった。息子が入院していた緩和病棟の屋上にも偶然小さな天文台があった。だから息子は星になったのだと思っている。大勢…

中学受験、的を広げる余裕

1上には上がいて、上がいれば下がいる。どこの学校でも同じであり、いわゆる最難関と言えども例外ではない。入学後たちまちにして上下に開く。この二極化の度合いは最難関である方が顕著かもしれない。一体、あの合格の歓喜は何だったのだ。春過ぎて露わと…

ある日曜日の記録11月1日

1日曜日であっても朝5時起床。スクールフェアの準備のため朝6時には出発するという二男も起きる。今日が締切という提出課題に二男は取り組みその横で私はパソコンに向かう。朝の方がリキが出る、という二男の話を聞きつつメールなどを確認する。日記も書く…